【H×H】賽は投げられた４【イルミ】

ご厚意 ページ41

私の告白に、クロロは驚きの表情をみせればすっと強い眼差しを私に向けた。









「………そんなの、嫌に決まってる。









…と言いたいところだが、これは俺が持ち始めた厚意だから黙って送り出すことがAのためなら、俺はそうするよ」









「………クロロ、ありがとう




実は明日出ようと思うの。急だけど、みんなの顔を見ちゃうと簡単には出て行けないからみんなには内緒ね」









「ああ、わかった。









………また帰ってくるか？」









「…もちろん。また帰ってくるから、置いてかれたなんて思わないでね」









「誰もそんな事思わないさ」









その優しい言葉に、私は安心してその夜は眠ることができた。
最後のみんなで食べた晩御飯は私だけがゆっくり食べていて、気づけばみんなは食べ終わっているのに一番最後までご飯を噛みしめている私のそばに居てくれた。
よく眠れたのは、その温もりがあったのもあるかもしれない。


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出発の日の朝。
いつもより早く起きて、朝ごはんは作っておいた。
まだみんなが眠っているうちに静かに出て行こうと思ったから。
私は一人一人の頬を手の甲でスッと撫でてから、一年経っても幼い寝顔にキスをしてアジトを出た。









「……おはようクロロ、やっぱり見送りしてくれるんだね。

ありがとう」







「当たり前だろう。……それと「Aっ…！」






Aとの約束は守れなかったよ」









「えっ……フィン！？フェイ！？」









クロロの後ろ、つまりアジトから姿を現したのは寝ていたはずのフィンとフェイ。









「やっぱり、最初ここにAを連れてきた2人にはこの事を伝えたかったんだ。


約束破ってごめん、」

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