【H×H】賽は投げられた４【イルミ】

家族 ページ16

クロロは相変わらず無言で私を見つめている。いや、見つめると言うより睨んでいると言った方が正しいかもしれない。
何を伝えれば警戒心を解いてくれるのかわからない。だからこそ自信のない声になってしまうけれど、これじゃダメなのはわかってる。








「………君は、「やめてくれないか」







…………っ、

どうしてまだ警戒心を持つ必要があるの？」







「………………









………俺は、俺達は一度親に捨てられている。
家族と呼べる存在はあいつらだけなんだ、だから頼むよ。









………俺から、…あいつらを奪わないでくれ」









絞り出すような声で懇願するクロロ。
おそらくクロロは私が良い顔して気を許した隙にあの子達を攫って売るのだとでも推測してたのだろう。
もちろん、私はクロロからあの子達を奪うつもりはい。
クロロもまとめてみんな私が念能力者に育て上げるつもりだ。

クロロがたぶん心から願っている事を教えてくれたから、私も少しだけ自分の事を話すことにした。そうでもしないと、事は先に進まない気もしたから。








「………じゃあ、言い方を変えようか。
君には特別に私の事を少しだけ教えてあげる









私は、君たちと一緒にいないと消されてしまうんだ」








全部は言ってない。
たぶん全てを話したら私はジグさんによって消されてしまう気がする、私はいつだってジグさんに見られているんだと思う。







「………苦し紛れにしては、苦しすぎないか？

お前に、アイツらを奪われる絶望を味わうくらいなら今ここでお前に殺された方がマシだ」







「………わかった、じゃあ君の中で私は人攫いって事にしといていいよ。








だけど君の事は何があっても殺さない。もちろん他のみんなのことも。
全員私の手で、私より強くなるように育てさせてもらうよ」

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