イルミ(10)side ページ5
本当に突然だった。
その日は仕事が終わったら家に帰るための飛行船が止めてある所まで歩いて行かなきゃいけなくて、一応血濡れた手は拭いたけど鼻のいいやつならすぐわかる。
そう思ってあまり人がいない路地裏を歩いて飛行船へ向かった。その途中だった。
そいつは突然現れて俺の上に落ちてきた。
気配どころかそいつの息遣いさえ察知できなかったから、俺も油断してたんだと思う。
されるがままにそいつのクッションになってしまった。
と、言っても一応訓練はしてるから大人1人が上に落ちてきたって大丈夫な体になってはいる。
…だけどコイツ、ここまで気配が消せるってことはかなりの腕があるのか、それとも“絶”は超人級でも他はど素人な見せかけなのか…
「…………………………っお?」
後者だな。警戒心がまるで無いし、俺のことをただの子供だと思ってるようだ。
そうと分かればすぐここを立ち去ろう。
女が大丈夫か、とすごい形相で聞いてきたので「別に大丈夫」とだけ言って去ろうとした。
遅くなると親父に怒られる。
「っえ!?ちょっとまって!?本当に大丈夫なの!?無理してない!?!本当は肋骨がパン粉状態になってない!?!?!!?!?」
煩かったし、このままここを去れば着いて来られそうな気がしたので俺は脅しのつもりでそいつの首にかかった。
「…死にたくなかったら、わかるよね」
これで懲りただろう。
…でも、もし仮にコイツが見せかけじゃなくて俺に襲いかかってきたとしたら危なかった。
そういうのは早々に始末しといたほうが良いんだろうけど、上手く回れば駒に使える可能性もある。
「本当はここで殺しても良いんだけど、君見るからに弱そうなのに現れた時気配がなかったから、生かしといてやる」
ここで殺さなかった恩を売って、後々使いたいときに使えば良い。
そう思って「使えるかもしれないし」と、付け加えて首から手を離し、飛行船へ向かった。
そのあと女が追いかけて来るようなことはしなかったが、俺は聞き逃さなかったのだ。
「…イルミ、」
彼女が俺の名前をはっきり呼んだことを
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はにか※はにかん(プロフ) - 不運というか、いじm((最初から面白いですね!読んでいくの楽しみです! (2019年9月4日 23時) (レス) id: d702d64ecc (このIDを非表示/違反報告)
ほたて - ひなたさん» ひなたさん、この小説を読んでいただきありがとうございます!そう言ってもらえてこれからの励みになります〜〜(><)長ァァァくなるとは思いますが、これからも読んで頂ければ幸いです!!!! (2019年3月2日 11時) (レス) id: 3edca5edc7 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - はじめまして!設定やストーリーがとても好みで面白いです!応援してます!! (2019年3月2日 8時) (レス) id: 0dee45b0bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんごのうさちゃん職人 | 作成日時:2019年2月20日 15時