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ああ、嫌だな……
そんな憂鬱な感情で始まる朝は、寝不足な俺の体をより一層重だるくさせていた。
「あー……行きたくねぇ」
言いながらも体は勝手に支度を始めていて、左手には歯ブラシ右手にはスマホ。
なんだかんだメールチェックやスケジュールチェックをしている自分。
職業病って怖い、とかなんとか思いながらスマホ画面の片隅の時刻に視線をやって、意外と時間がないことを知った。
「やっべ、いそがねーと」
行きたくないわりに急いじゃう所に苦笑いしつつ、身支度を終えてマンションのエントランスに降りた頃にはもうしっかりと迎えの車がやってきていた。
しかもなぜか隆二が乗っている。
「なんで俺の車にお前が乗ってんだ」
「えー、いいじゃん一緒に行こうよ」
「お前今日オフだろ」
車のドアを開けて、向こう側に詰めろとグイグイ隆二を押し込んで
今日の仕事現場へと直行する。
「覚悟決めた?」
隣でニヤニヤしてる隆二に"覚悟なんて決まるわけねー!"って言ってやる。
だってどう考えたって無理。
マンションの四階から飛び降りるアクションなんて
俺には無理だ。
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ゆうき(プロフ) - 面白いです。更新、楽しみにしてます。 (2020年5月27日 10時) (レス) id: 56d6dad4f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:IL(イル) | 作成日時:2019年10月31日 14時