愛される色柱は男【鬼滅の刃】【男主】

にじゅうはちー ページ34

館「来てくれて有難う、A」









『お久しぶりです、









お館様』






微笑んで見せる






お館様の目はもう見えているかもわからないが



寝たきりで、顔を包帯でグルグル巻き






産屋敷家の者は長く生きられない



そういう呪い





それは鬼舞辻が鬼になったせい




だからこそ、こんなにも貴方様が苦しまないように、

ご子息様が苦しまないように、

なんとしても鬼舞辻を殺さなければならない









館「A、私が長く生きられない事は…知っているね？」



お館様はゆっくりと語る



館「祖父も、父も、そして私も








私も、君達のように強く有りたかった

刀を握り、鬼の頸を斬り、誰かを守って



そのように生きてみたかった







ふふっ、無理な話だね









……実弥が、柱になったばかりの頃、私に言ったね


〔武術も何も囓っていない奴が鬼殺隊の頭など巫山戯るな〕とね





本当にその通りだ





私は何も出来ていない、ただ指示を出し、涼しい顔して笑っているだけ








本当に申し訳ないと思う




子供達だけに命を賭けさせて、死と隣り合わせに生かす





A、皆に伝えてくれ







不甲斐ない私が頭ですまない

ついてきてくれて有難う

私はいつまでも君達を信じているよ

鬼舞辻を倒し、幸せに生きる者たちが増えるよう…

頼んだよ」







不甲斐ない？


お館様が？



そんなことない、絶対に


俺がどれだけ貴方様のお陰で救われたと思っているんだ…



いやだ、この方が消えてしまう



まだ、一緒に居たい…！








その感情が募り、涙が溢れる





館「どうして泣くんだい？

大丈夫だ、A


大丈夫…」


もう体すら動かせないお館様

お声だけしかかけられない、痛ましい





ああ、黒い物が湧き出てくる…



無くしたくない、守りたい、側に居たい…！


また駄目な結果に終わる…！









『……絶対、全員否定しますよ






貴方様は、不甲斐なくない


俺はあんたのお陰でどれだけ救われたとおもっているんや！


あんたがおらんかったら今頃生きとらんわ！


あんたが救ってくれたからっ…！




…っ…まだ一緒に、居たい…！！』








周りには、もう俺の嗚咽しか聞こえていなかった


信じたくない…

この方が居なくなることを







館「……A



有難う、そう思ってくれるだけで









もう充分だ」








ああ、お館様、御礼を言うのはこちら側だ

にじゅうきゅー→←にじゅうななー

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
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