霞の夜に花と雪

二十六 ページ29

時透side







あの時の




自分の不甲斐なさを呪いたい









どうして



あの時何もしなかった







どうしてAの苦しみを理解しようとしなかった




どうしてAを攻めてしまったんだ









わかってた、全部嘘だって


本心じゃないって









あの時は気が動転していて





自分ではないような感覚だった









僕がそんな状態でも、やっぱり１番苦しんでいるのはAだった筈なのに








それを無視した僕は






Aの心を殺した




A自身を殺したも同然だ









・









・









・









・









・





きっとAだって、『助けて』って伝えたかった



でもそれをさせなかった僕は最低だ









悔やんでも悔やみきれないこの思いはどうすればいいのだろうか…



ずっと背負わなければいけないな




ねぇA、僕はどれだけお前に謝れば許してくれる？








優しいお前だからきっとすぐ許してくれるんだろう





でも、それじゃ駄目なんだ…









僕はきっと一生この思いを引き摺って生きていくんだろう









嗚呼、もう一度、君の前に立つことが出来たなら







…もう無理だろうか









ちゃんと自信を持って君の前には立てないよ









それでも、またあの笑顔を見せてくれますか？

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