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No side
「異能力、人間失格___」
そう叫ぶと、太宰は白虎の眉間を指先で突いた。
その瞬間、時間が止まったように白虎の動きが停止する。
「私の能力は、あらゆる他の異能力を、触れただけで無効化する」
白虎の周りを、青い光と文字の羅列が包み込む。
そして人の姿に戻った中島は、太宰の胸にもたれ掛かる。
「男と抱き合う趣味はないっ」
太宰は中島を無惨にも放り投げ、明智はそれを受け止めようにも太宰に捕まっているため、中島はそのまま床に倒れ込んでしまう。
『ん〜!ん〜〜!』
「おっと。そういえばまだ離していなかったね」
太宰は今思い出したと云うように明智の口元を抑えていた手を離す。
『はぁ…はぁ…シヌカトオモッタ』
「片言なのが余計…」
そうくすくすと笑っている太宰に腹が立ったのか、明智は回し蹴りを太宰に喰らわす。
「あだっ!」
「おい太宰!」
其方(そちら)を見れば国木田が入ってくる。
「あぁ、遅かったなぁ国木田君。虎は捕らえたよ」
『いや駄洒落やん』
「いや今のはそんな心算(つもり)なかった」
「まさか、この小僧が?」
『国木田さんすごいスルースキルですね、尊敬します』
「まぁな」
「そこ誇るんだ。まぁ何はともあれ、彼は虎に変身する能力者だ」
「全く…」
「うん?」
「何だこのメモは」
国木田は茶屋でのメモを取り出す。
「十五番街の倉庫に虎が出る、逃げられぬよう周囲を固めろ___実に簡潔で良いメモだ」
「要点が抜けとる。次からは事前に説明しろ」
『はぁ…』
「その様子だと、A、貴様も分かっていたようだな」
『ギクッ』
明智は大袈裟に肩をビクッと揺らし、擬音がそのまま口から飛び出した。
『そ、そそそそんな訳ないじゃないじゃないデスカ』
「どっちだよ…」
国木田は何も言わずにただただ呆れの視線を送った。
「全く…Aも次からは、事前に連絡を入れろ。おかげで非番の奴らまで駆り出す始末だ。後で皆に酒でも奢ってやれ」
見れば、入口近くに三人の人影が映る。その三人は月明かりの下まで歩み寄り、その姿を晒した。
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颯貴@東方&文スト大好き人間(プロフ) - 名無しさん» まじ期末テストって定期の後すぐすぎて殺意 (2021年6月13日 14時) (レス) id: c1c393294b (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 颯貴@東方&文スト大好き人間さん» まじですか?!めっちゃ嬉しいです!ありがとうございます!テストとか部活とかがあってあんまり更新出来ないところはあると思いますが、なるべく更新出来るように頑張ります! (2021年6月13日 13時) (レス) id: 1740558e54 (このIDを非表示/違反報告)
颯貴@東方&文スト大好き人間(プロフ) - サードアイ(3rd eye)にすごい反応しちゃった東方厨ですwwとっても面白いので続き待ってます!! (2021年6月12日 20時) (レス) id: 5b8feef754 (このIDを非表示/違反報告)
桜三ツ木(プロフ) - マジで樋口ちゃん出してくれるんですか!?ありがとうございます。これからもがんばってください! (2021年6月10日 21時) (レス) id: 19095acc19 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 桜三ツ木さん» ありがとうございます!めっちゃ励みになります!樋口ちゃん了解しました!遅くなるかもしれませんが、書いてみようと思います! (2021年6月9日 18時) (レス) id: 1740558e54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨宮夜空 | 作成日時:2021年5月17日 20時