〇そらちぃ : 失恋2 ページ9
▽
「はぁ...っ、はぁ、...っひ、ひっく...ふぇ、」
なんでこんなに好きなんだろう。
もう遅いのに、今更すぎるのに...あぁ、自分のバカ。伝えてたらもっと、何か変わってたかもしれないのに...。
『A!!』
「...っ!」
...なにしてんの、さっきまで隣にいたあの子は?放ってきたの?なにしてんの?
「...そら、なんで、」
『また泣いてんのかよ、ほんと泣き虫だな...どうしたの』
「目に...ゴミが入った、だけだよ...」
『どんなでけぇゴミ目に入れたんだよ』
肩をさすってくれる。
あの頃みたいにもう抱きしめてはくれないけど、それでも嬉しかった。
もう終わりにしよう、これで。
「そら、あのね、私そらのこと好きだったんだよ」
『...え?』
「ごめんね、これ、だけ...もう泣かない!」
そらに笑ってみせると、そらは悲しそうに笑った。まるでごめんねと言っているような顔だった。
「明日からもいつも通り、廊下で自慢して歩いていいんだからね?私なんか気にしないで」
『A、ごめんな...』
そらの言葉に頷いて、そらの胸を押した。
後ずさりしてよろけたそらは、いつもみたいに片方の口角だけを上げて笑って、
『A、俺より良い奴見つけろよ?』
走っていった。
あの子が待ってた。分かってた。
ごめん、もう泣かないって約束したばかりなのにね...。
溢れる涙は止まる気がしない。
ごめん、今日だけ、今日だけ。
私は地面が土だなんてことは気にせずに、その場に倒れて顔をうずめて泣きじゃくった。
そら、大好きだったよ。
素敵な人、見つかるかな?
そらより良い奴って、どんな奴だよ...。
でも、ありがとう。ありがとう、そら。
いつもより寂しそうな空を、お昼まで見つめて、そのまま家に帰った。
明日、えいちゃんに全部話すんだ。
ばいばい、そら。ありがとね。
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ゆちゃん(プロフ) - めろんぱんさん» ありがとうございます!励みになります!引き続く予定ですが、少し時間が空いてしまう事をご了承ください。。 (2018年8月26日 13時) (レス) id: 28a469272e (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 本当にすごく面白い小説で、大好きです( ; ; )第2弾楽しみにしてます! (2018年8月26日 1時) (レス) id: 0ae7433c54 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃん(プロフ) - ユメさん» 読んでいただいてありがとうございます( ; _ ; )そんな風に言っていただけて嬉しい限りです!少し時間を置いての第二弾となりますが、楽しみに待っていただけたら光栄です! (2018年8月25日 17時) (レス) id: 28a469272e (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - もう読み始めたら一気に最後まで読んじゃいました!ゆちゃんさんの作る話が全て私の好きな小説の感じで、次の話が毎日楽しみです!無理せず更新頑張ってください!楽しみにしてマス! (2018年8月25日 17時) (レス) id: d3e1d985bc (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃん(プロフ) - 葵さん» ご意見ありがとうございます!わたしもお気に入りの作品なんです(*∩ω∩*)!強めに言われるの好きな女性、実は多いんじゃないかなぁって思ってるので(勝手に)。書いてて楽しかったです!今後ともよろしくお願いします(^O^) (2018年8月23日 14時) (レス) id: 28a469272e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆちゃん | 作成日時:2018年7月8日 20時