〇リクヲ : 嫉妬の相手 ページ21
▽
「なんか元気なくない、？」
放課後、いつものように公園に立ち寄り、二人でベンチに座った。
この言葉を言おうかどうか迷ったところではある。
でも最近りっくんの様子がおかしくて。
『、そう？そんなこと...ないけど』
そう言って眼鏡をクイッと上げるりっくんの顔を盗み見ると、明らかに笑顔は引きつってるし、目線は下ばかり。
何かあったなら彼女である私に言ってほしいのに。
「ねえ、りっく...」
落ち込んでいる理由が知りたくて話しかけようとしたけど、その途端に私の携帯が震えた。
「えいちゃんだ」
『...』
" トプ画変えすぎ " というLINEを既読にはせず電源を切り、りっくんに集中しようとすると、先程よりりっくんの表情は固くなっていた。
「りっくん...？」
『、それ』
「え？」
少しだけりっくんの体がこちらへ向いた。
顔を覗き込もうとすると逸らされる。
『...仲いいから、最近』
「...えいちゃん？」
数秒待ったあと、りっくんがゆっくり頷いた。
嫉妬してたってこと？
『最近、えいちゃんえいちゃんって...ちょっと、いやっていうか、誰？』
涙声になり鼻をすすり始めるりっくんは、最後に『ごめん』と呟いて立ち上がった。
確かに 最近えいちゃんばかりに、、
でも待ってりっくん！
私を置いてとぼとぼ歩いていくりっくんの背を、急いで追った。男らしいけど細い手首を掴んで、やっと立ち止まる。
「りっくん！えいちゃんは、私のその...」
『、なに？』
「お兄ちゃんだよ、」
『......嘘だ、じゃあなんで最近になって急に』
「最近帰ってきたからだよ！」
つい一週間前のこと。留学先から、お兄ちゃんである えいちゃんが帰ってきた。
大好きで仕方なかった中学時代、泣く泣く別れて三年越しの再開だった。
それから家ではウザがられてもベタベタくっついて、LINEが来る度に嬉しくて...。
でもりっくんには申し訳ない事したな。。
『待っ、て...俺、めっちゃ恥ずかしくない？』
「笑っちゃう...でも私も、ごめんね」
耳を真っ赤に染めて目線を逸らし続けるりっくんは、ペコりとお辞儀をして『疑ってごめん』と言った後
『今度からはAの日常とか、嬉しかったことも悲しかったことも、俺に話してほしい、な...』
照れ気味に言うりっくんが愛おしくて、すぐさま頷いて抱きついた。
頭を撫でてくれる優しさに、お兄ちゃんと同じくらいの"大好き"を覚えた放課後。
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ゆちゃん(プロフ) - めろんぱんさん» ありがとうございます！励みになります！引き続く予定ですが、少し時間が空いてしまう事をご了承ください。。 (2018年8月26日 13時) (
レス) id: 28a469272e (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 本当にすごく面白い小説で、大好きです（ ; ; ）第2弾楽しみにしてます！ (2018年8月26日 1時) (レス) id: 0ae7433c54 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃん(プロフ) - ユメさん» 読んでいただいてありがとうございます( ; _ ; )そんな風に言っていただけて嬉しい限りです！少し時間を置いての第二弾となりますが、楽しみに待っていただけたら光栄です！ (2018年8月25日 17時) (レス) id: 28a469272e (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - もう読み始めたら一気に最後まで読んじゃいました！ゆちゃんさんの作る話が全て私の好きな小説の感じで、次の話が毎日楽しみです！無理せず更新頑張ってください！楽しみにしてマス！ (2018年8月25日 17時) (レス) id: d3e1d985bc (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃん(プロフ) - 葵さん» ご意見ありがとうございます！わたしもお気に入りの作品なんです(*∩ω∩*)！強めに言われるの好きな女性、実は多いんじゃないかなぁって思ってるので(勝手に)。書いてて楽しかったです！今後ともよろしくお願いします(^O^) (2018年8月23日 14時) (レス) id: 28a469272e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちゃん | 作成日時：2018年7月8日 20時
