やぶいの短編つめあわせ (ページ3)

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in side

ロビーに着くなりタクシーから
降りてきた薮。

『あっきたきた！伊野尾～』

「おじさん飲みすぎ。」

『おじさんだからしょうがない』

からかったつもりなのに
お酒のせいか気にしていない

ふにゃふにゃの笑顔でこっちを見るけど
酔っ払いは酔っ払い。

介抱しなかったらマンションの前で
寝られるかもしれない。どっちにしろ
困るのは俺だ。

「土足厳禁た゛かんね。」

『伊野尾の家、初めてきたなー。
なんか落ち着くなー。お洒落だしお前らしいな』

そう言われて嫌な気分はしなかった。

人の部屋に上がって廊下で服を脱ぎ捨てて
そのままベッドに寝転がっているのも
許してしまっている。

面倒な俺は寝転がっている薮に布団をかけて
部屋から出ようとしていた

『伊野尾、待って』

薮が俺の腕を掴んで離さないから
部屋から出られない。

「だから俺忙しいの。ほらさっさと
酔っ払いは寝なさい。」

掴んだ腕を外そうとすると
薮と俺の視線が重なった

その時にはもう遅かった