最終話 ページ38
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第一印象はお互い最悪だったーーーって、坊っちゃまはそう思ってるだろうな。
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確かにすごく腹が立ったのは事実だけど、……彼を一目見たとき。
今まで感じたことの無い不思議な気持ちになったことを覚えている。
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失礼だけど、かっこいい男の子。
ずっと見ていたくなる不思議な気持ち。
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それから、一緒に過ごしていく内に、気づいたらその感情が恋に変わっていって…。
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「……ところで、いつになったらまた“司”って呼んでくれるんですか？」
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ふとこっちをみながらそう言う坊っちゃまに「え、」と声が漏れる。
実はあのとき以来なんだか恥ずかしくて名前で呼べてなくて、坊っちゃまに会う度に催促されているのだ。
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『いや、まあそれは後々……』
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目を逸らしながらそう言うが、並々ならぬ視線を感じて冷や汗がとまらない。
だって、今さら名前で呼ぶなんて恥ずかしいんだもん…。
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「A」
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名前を呼ばれてビクッと体が反応する。
坊っちゃまは最近私のことを呼び捨てで呼んでくる。
慣れなくて未だにドキドキする。
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「私たち、婚約者ですよね？」
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不安げな瞳が私の顔を覗く。
……そんな顔をするなんてずるい。
私が弱いって知っていてやってるのかな。
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困った表情の私をその瞳に映しながら彼の顔が近づいてきて、唇が触れそうな位置になる。
…もう観念するしかない。
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『つ、かさ様…』
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気恥しさで涙目になりながら、振り絞るように呼んだ名前をきいて、司さまは嬉しそうに笑う。
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「よくできました」
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そう言いながら、待ちわびてたように唇を重ねる。
どうやら、彼はキス魔らしい。
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ーーー メイドになってから、辛いことも苦しいこともたくさんあった。
辞めてしまおうとしたこともあった。
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それでも坊っちゃまの専属メイドを続けてきた理由は、…やっぱり好きだったから。
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好きだったから、そばに居たかった。
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……たくさん喧嘩してしまうかもしれないけれど、どうか、これからもずっと彼のそばにいられますように。
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『……司さま、大好きです』
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メイドとしてではなく、婚約者として彼のそばに居られる奇跡みたいな今。
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色々考えていると想いが溢れてきて、そう口に出してみると、司さまは私の大好きな優しげな笑顔で、幸せそうに笑った。
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Fin．
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ゆずは(プロフ) - ごんすけさん» えーーー！！そんなこと言ってくださるなんて…嬉しすぎます！ありがとうございます（ ; ; ）更新頑張りますのでこれからも応援よろしくお願いします！！！！ (2022年10月13日 23時) (
レス) @page33 id: a915559bd8 (このIDを非表示/違反報告)
ごんすけ(プロフ) - 尊いです好きですありがとうございます……(早口)本っ当に最高です……毎度毎度 泣きそうなくらいの尊みで息の根が止まります…(愛)作者様も作品も大好きです…泣 (2022年10月13日 13時) (レス) @page33 id: 62f4ed090e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずは(プロフ) - ルナ（自称天才☆）さん» コメントありがとうございます！若干辛い展開かもしれないですが、最後はハッピーエンドなので楽しみにしておいて下さい〜！更新頑張ります！ (2022年9月8日 13時) (レス) id: a915559bd8 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ（自称天才☆）(プロフ) - 初コメ失礼します！この作品とても素敵だと思います。この後の展開が待ち遠しいです！ぜひ更新頑張ってください、待ってます！ (2022年9月8日 0時) (レス) @page17 id: 2c52dd1a0d (このIDを非表示/違反報告)
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