14-side Ryota- ページ15
食事を終えて店を出ると、ますます外は暗くなっていた。彼女がお手洗いに行っている間に会計を済ませておくと、自分も出すと主張していたが、
初めてのデートだから出させてと伝えれば、
また顔を真っ赤にして照れているようだった。
ここから彼女の家までは歩いても20分程度。
歩いて帰ると言うので家まで送るよと言えば、
また顔を赤くしているのがわかった。
数時間ぶりに手を繋ぐと、小さな手がきゅっと握り返してくれる。
「今日、楽しかったね。」
「うん。紅茶もご飯も美味しかったし、ハリネズミも可愛かったし…涼太くん、ありがとう。」
上目遣いでお礼を言う瞳は、
少し潤んでキラキラしていて、すごく綺麗だ。
「こちらこそ。お洒落してきてくれて、楽しんでくれた姿も見れたし俺は大満足。」
「あ、」
手の握り方を恋人繋ぎに変えれば、
Aちゃんからは小さく声が漏れる。
「家の近くまで、こうしてていい？」
「…うん。」
大人になった彼女と再会して今日1日デートして、
どうしようも無いほど好きという感情が湧いてくる。
このまま腕を引いて抱き寄せて、
今すぐキスしたいとさえ思う。
それでもそうしないのは、本当にAちゃんが大事だからだ。
ぽつりぽつりと話しながら歩けば、もう家が見えてくる。約束通り手を離そうとすると、彼女の方から力を入れていて絡んだ指は解けなかった。
「…Aちゃん？」
「あ、ごめ…」
「そんなことされたら、我慢できなくなるよ。」
「えと、その、」
自分でもどうして手を離さないのかがわからないのか、混乱したような顔をしている。
きっと今すぐキスして連れ去ることなんて簡単だけど、本気だからこそ、嫌という程時分の気持ちを分からせたい。
「ちょっと意地悪言っちゃったね。ほら、行こう？」
瞳を潤ませた彼女を家まで送り届け、
あとどれくらい我慢できるかなと考えながら家路についた。
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぺぺ - とても素敵なお話で一気読みしちゃいました…!次回作楽しみにしてます! (2020年12月31日 1時) (
レス) id: 4214485061 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - SnowMan大好きです亮平君と翔太君と涼太君寄りのオール担当です最高です完結おめでとうです (2020年12月26日 16時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いくらさん。 | 作成日時：2020年11月30日 1時
