お姉ちゃんが危なっかしい【バスタフェ】

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タイピング音だけが響く部屋の中にひとつの通知音がなった。



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シロ、依頼だ。
テウタ・ブリッジスという女を調べてくれ。

依頼料は……



クロ

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シロとは私のコードネームのようなものだ。


ニホンゴで、ホワイトという意味らしい。



クロは私と ” 同業者 ” のようなもので、あちらの仕事が立て込んでいる時はよく依頼してくる。



だが問題はそこでは無い。





依頼の対象である ” テウタ・ブリッジス ” 紛れもなく私の姉だろう。



ここ近辺で同姓同名はいないことを私は記憶していた。



(お姉ちゃん、またなにか首を突っ込んだのね)



しかし、こんな裏社会の人に目をつけられるなんて何をしたんだお姉ちゃん。

と、脳内の姉に言葉を投げかけるが当然返答はない。



私はクロに了解とだけ返した。



いつも通り調べた。特段怪しい点はない。




━━━

テウタ・ブリッジス 21歳 女

フリージャーナリストで、体の弱い妹が1人
両親は存命。…………


で、怪しい点はないけど？
まさか一目惚れかしら

好きな女の情報は全て欲しいのね


シロ

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それとなく探りを入れてみる。

……クロの仲間を ” 能力 ” を使って助けた、とか？


だとしたら、何らかの理由で ” 能力 ” がバレて、組織の刺客か何かと疑われている…とか。




お姉ちゃんのことだから有り得そうで怖い。





” 能力 ” とは、Aと同じく時に関する能力で


テウタの場合は数時間だけではあるが ” 他人になって遡る ” ことの出来る能力だ。





そして、私の予想は的中することとなった。

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