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「……で、なんでお前がいるんだよ」
「おっ、おかえりー！いやーほんとお前んとこの大家さんいい人だな！煮物くれたぞ！」
「このばかっ、たくもー…」
マンションの前に着いた時から怪しいとは思ってた。なぜか部屋には明かりがついてて見覚えのありすぎるスニーカーが無造作に置いてあって、部屋からはテレビの音とこれまた聞き慣れすぎた笑い声。
…今度大家さんに言っとかないと、あと煮物のお礼も…、
「上手くいってんだろ？」
「……まぁ」
「ならよかったじゃんか！」
「…ぉぅ」
「
「…っおぅ、」
「……で、お前はなんでそんな微妙な顔してんだよ」
「っ、」
息が詰まった。思い当たる節が多すぎて。
俺を見上げる知念の目を思い出して、胸が、ぎゅぅと潰されるみたいに。
「……………かわいいんだ、
知念が、すごく、かわいい……前よりずっと、かわいく見える…」
……でも、だめだった。
薮ちゃんに抱きつく光くんを、勝手に目が追いかけてる。
その俺の目の奥を、知念が追いかけてくる。
こっちを見て、と
わかっている。わかっているのに、
1人でいる光くんを追いかけるのはもうほとんどなくなったのに、
薮ちゃんといる幸せそうな光くんの笑顔にまた目を奪われて
馬鹿だとわかっているのに、何度も馬鹿だと言い聞かせたのに、俺にとってのあの笑顔は1番の毒で、1番、魅力的で、
涼介、と俺を呼ぶあの声が、目が、苦しい。
胸を締め付けるこの痛みが、知念のかわいさからくるものであったなら、どれだけよかっただろう…。
薮ちゃんに向けられるあの笑顔への嫉妬なのか、
俺を見つめるあの瞳への罪悪感なのか、
自分でも、その正体がわからない。
「…俺はまだ、知念だけを見てあげられてない…っ」
「……お前らってもうキスはしたの？」
「………は？」
「だから、したの？キス」
「………した、っつーか…されたっていうか……それも付き合う前だし…」
「好きだと思ったらしたいと思うんじゃねーの、そのうち
誰だってそんなすぐに気持ちなんて全部無くならないだろ。
知念だってそこんとこはわかってるよ。だからきっと待ってるし、絶対喜ぶ。
…別にしろって言ってるわけじゃねーぞ…？」
「……ん、…ぁりがと」
「まぁ可愛いって思い始めただけ進歩じゃねぇの。お前にも、知念にも。」
「…ん。」
．
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ぺす。(プロフ) - うめこさん» ありがとうございます(⑉• •⑉) (2023年3月16日 20時) (
レス) id: 206ade82dd (このIDを非表示/違反報告)
うめこ(プロフ) - ハァ…やっぱ甘々最高です（´-`） (2023年3月14日 12時) (レス) @page44 id: 47eba4f513 (このIDを非表示/違反報告)
や(プロフ) - 更新待ってます。 (2022年2月18日 23時) (レス) id: 5f35425ac6 (このIDを非表示/違反報告)
ぺす。(プロフ) - ボボンデスさん» ありがとうございます、そう言っていただけるととても嬉しいです！やっぱり「面白い」と思っていただけるのが書いている側としては1番嬉しいです(^^ 更新頻度は遅いですが、今後もよろしくお願い致します (2020年3月6日 4時) (レス) id: 8fc2c5dabd (このIDを非表示/違反報告)
ボボンデス - めちゃくちゃ面白いです！！私も健気な知念くんが報われてほしいな、と勝手に思っています。結末がどうであったとしても、続きを楽しみにしております。 (2020年3月3日 23時) (レス) id: c7669e2271 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺす。
| 作成日時：2017年2月2日 0時
