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．
「やぁぶ、…んへへぇ」
「…お前ちょっとペース落とせ」
そんな薮ちゃんの注意も払い除けて変わらぬペースで飲み進める光くんはいつもの倍のスピードで既に出来上がっていた。
あからさまなイチャイチャ。わかりやすい表情に潰れそうになっていた心臓はこの間ほどじゃない。
さすがにずっと直視していられるほどまだ強くはなれないけど、作り笑いを返せるくらいにはなった。
「りょーすけ、ね、りょーすけ、」
それもこれも全部、今俺の隣にいる彼のおかげなわけで。
舌っ足らずに何度も俺の名前を呼びたがる彼も光くんに負けず劣らず酔っているらしいのだけど。
「…どした？」
「なんでもなぁい」
「なんだよ、」
「…ねぇりょぉすけ、」
「なに？」
「…んふふ、…かっこいいね、りょうすけは」
「っ、」
にぃ、と前歯を見せて笑ったその顔が、どうしようもなく可愛い。そう思えるほどに、俺も知念を好きになれているのだと思った。
「……っ、」
俺の肩に頭を乗せて、幸せそうな表情で、 かっこいい、かっこいい とうわ言のように繰り返す知念。
その目の前でジョッキを握りしめていた指先がするりと落ちるのが、なぜか鮮明に残っている。
「こぉたっ…、」
．
．
(…っ、ごめんトイレっ、)
目の前で重ねられた唇。彼の“名前”を呼ぶ甘い声。
見なければきっと大丈夫。適当に言い訳を重ねて、
前よりずっと、傷は癒えた。……はずだった。
落とした視線。それでも唇の離れる微かな音でさえ感じてしまう。
___心臓がうるさい。心臓が、痛い_____。
バクンバクン、と大袈裟なくらいに脈打つ心臓が嫌になるほどに突きつけてくる。
お前はまだ、不毛な想いを捨てきれていないのだ と
お前はまだ、光くんが好きなのだ、と。
「…涼介、」
「っ、！」
一際大きく心臓が跳ねる。
振り返ると、そこにはさっきまでとは違ういつも通りの知念がいて、俺の顔を見てその顔が泣きそうに歪むのが、見えた。
「…知念、おれっ、「言わないで。」…ｯ」
「…最初に、言ったでしょ…？僕は、涼介がひかを好きでもいい…、
涼介が、どれだけ長い間ひかを好きでいたか知ってるから、そんなに簡単に勝てるわけないのはわかってるの。
…ただ、少しずつでも僕の方を見てほしい、
…僕、ひかより輝いてみせるから。」
見ててね、
そう言って 一瞬重なった唇は、震えていた。
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ぺす。(プロフ) - うめこさん» ありがとうございます(⑉• •⑉) (2023年3月16日 20時) (
レス) id: 206ade82dd (このIDを非表示/違反報告)
うめこ(プロフ) - ハァ…やっぱ甘々最高です（´-`） (2023年3月14日 12時) (レス) @page44 id: 47eba4f513 (このIDを非表示/違反報告)
や(プロフ) - 更新待ってます。 (2022年2月18日 23時) (レス) id: 5f35425ac6 (このIDを非表示/違反報告)
ぺす。(プロフ) - ボボンデスさん» ありがとうございます、そう言っていただけるととても嬉しいです！やっぱり「面白い」と思っていただけるのが書いている側としては1番嬉しいです(^^ 更新頻度は遅いですが、今後もよろしくお願い致します (2020年3月6日 4時) (レス) id: 8fc2c5dabd (このIDを非表示/違反報告)
ボボンデス - めちゃくちゃ面白いです！！私も健気な知念くんが報われてほしいな、と勝手に思っています。結末がどうであったとしても、続きを楽しみにしております。 (2020年3月3日 23時) (レス) id: c7669e2271 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺす。
| 作成日時：2017年2月2日 0時
