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「涼介…」
俺を呼ぶか細い声とともに重ねられた手がぎゅっと強くなる。
「…知念、俺は……「いいの…僕は、涼介がひかを好きでもいいの」
少しだけ乱れた頭がとんと俺の肩へ当てられて
それと同時にきゅっと胸が痛くなった。
「ひかを好きなままでいいから…僕にも、手を伸ばしてよ…」
「僕なら、涼介が伸ばした手を握り返してあげられる。
いつだって、涼介の手が届く距離にいる…!」
絡めとられた指は、唇と同じようにどちらも熱を持っていて、
視線が絡めば上がっていく心拍数が手に取るようにわかる。
「俺なんか…「涼介だからだよ。涼介は、ひかを好きになった理由説明できるの?」
「………いいの…………?」
「…僕、涼介を好きにさせる、自信、ある、」
自信、そう口にするくせに、震える声も、揺らぐ目も、何一つ隠せてはいなくて
ひかを好きなままでいい。
それはきっと知念の強がりなんだろうけど、
正直に光くんをはやく諦めろと言われたって、きっとそれは無理な話で
心の奥に、深く、強く、根付いてしまったこの気持ち。
花は萎れてしまっても、根だけはしぶとく地中に埋まったまま。
それを引っこ抜くにはきっとたくさんの時間と労力が必要になる。
「知念…、俺は、知念を傷つけたくなくて…」
「そんなのとっくに手遅れだよ」
「大ちゃんにも、そんなの無理だって言われた…」
「うん」
「でも…俺は…」
「涼介らしくない。はっきり言ってよ。」
知念の眉間にきゅっと寄った皺。
恋愛ドラマだってこの間出してもらったばかりなのに、ひたすら叶わない片想いを続けてきたせいで、どうすればいいのか全然わからない。
ただ、光くんという太く、根深い大木の隣。
そこに埋まっていた小さな種が、小さな小さな芽を出した。
俺は、そのすぐ側まで来て、じょうろを持って構えているのに、
それを傾けることが出来なくて
「涼介、ちゃんと、僕の目見てよ」
強引に合わせられた目を見たら、自分の心も疼くのがわかる。
俺は、この人を好きになってもいいんだろうか
そんな思いも、
涼介がすき
その笑顔に全部流されて
「 ……俺と、付き合ってください… 」
手に持ったじょうろからは、
ほんの少しずつ、ちょっとずつ、
芽吹いた想いへの愛しさが溢れ出していた。
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移行します((*_ _)
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ぺす。(プロフ) - ことさん» ありがとうございます、頑張ります(*´-`*) (2017年1月7日 0時) (レス) id: 7cb77570db (このIDを非表示/違反報告)
こと - 山ちゃん!切ない(涙) これからも頑張ってください!! (2017年1月6日 23時) (レス) id: bdfd1bb388 (このIDを非表示/違反報告)
ぺす。(プロフ) - 曖昧実さん» ありがとうございます、これからもよろしくお願いします(*´ω`*) (2017年1月2日 12時) (レス) id: 7cb77570db (このIDを非表示/違反報告)
曖昧実(プロフ) - すごく素敵なお話です!新年からボロボロに泣いてしまいました。これからも更新頑張ってください! (2017年1月2日 12時) (レス) id: bf70034b3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺす。 | 作成日時:2016年11月19日 21時