検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:93,738 hit

_25 ページ25









「山田く〜んオムライスまだぁ〜??」


「はいはい、ったくちょっとは静かにできねぇのかよ、」







あれから定期的に開かれている男子会、というか大ちゃんが勝手に押しかけてきてるだけなんだけど、

その度にオムライスを要求するこいつも相当だが、面倒だなんだと言いながら結局作ってしまう俺も大概だ。

飽きないのかと聞いても、「山田のオムライスはめちゃくちゃ美味いから!」とリスみたいな頬で答えられれば、俺もまたまんまと乗せられて作ってしまう。






「で、最近どうなの?ひかとは、」


「どうって、別に何も…」





そう、何も。あれ以来何もない。
約束したご飯も仕事が忙しいせいで、行く暇がない。

もちろん告白はできてないし、知念との仲も修復できていない。
それでも仕事の撮影の時なんかは知念も今まで通りの仲の良さを演じるから、ほんとは俺なんかよりもずっと、知念の方が演技力あるんじゃないだろうか、なんて。
ただ、俺に向けられる笑顔のその目の奥が笑っていないことくらい、嫌でもわかってしまう。






「でも楽しそうじゃん、最近」


「そう?」


「うん、最近よくひかと楽しそうに喋ってる」


「仕事で会える時だけね」


「最近山田忙しいもんなぁ」


「お前はそんなの関係ないみたいだけど?」


「とか言って〜ほんとは嬉しいくせに〜!」


「光くんが来てくれるならめちゃくちゃ嬉しいけどね、大ちゃんとか…もう飽きた」


「うっわひでぇ!!もう、じゃあひか呼ぶ?」


「……は?え?は?ちょっと待てお前、」


「もう送っちゃった〜 ♪」


「はぁ!?」






ルンルン顔でスプーンを咥えるその手にはしっかりと携帯が握られていて向けられた画面には光くんとのトーク画面。

やめて欲しいと思うのに、もし本当に光くんが来たらと思うと、どうしようもなくドキドキしてしまっている俺がいる。






「ぁ…」


「…来た?返事、」


「今日は、むりだってさ…なんかごめん山田…」


「…いいよ別に、もとから期待してない」





ほんとはちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、期待してたけど、今日もきっと薮ちゃんといるに違いない。

大ちゃんに見せてもらった画面に映る汗をかいて申し訳なさそうに手を合わせる絵文字が光くんと重なって見えて、今は、それだけで十分だった。








_26→←_24



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (95 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
182人がお気に入り
設定タグ:山田涼介 , 八乙女光 , Hey!Say!JUMP   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぺす。(プロフ) - ことさん» ありがとうございます、頑張ります(*´-`*) (2017年1月7日 0時) (レス) id: 7cb77570db (このIDを非表示/違反報告)
こと - 山ちゃん!切ない(涙) これからも頑張ってください!! (2017年1月6日 23時) (レス) id: bdfd1bb388 (このIDを非表示/違反報告)
ぺす。(プロフ) - 曖昧実さん» ありがとうございます、これからもよろしくお願いします(*´ω`*) (2017年1月2日 12時) (レス) id: 7cb77570db (このIDを非表示/違反報告)
曖昧実(プロフ) - すごく素敵なお話です!新年からボロボロに泣いてしまいました。これからも更新頑張ってください! (2017年1月2日 12時) (レス) id: bf70034b3d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぺす。 | 作成日時:2016年11月19日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。