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慧side.
『…これで、全部だよ』
ずっと俯いたまま俺の話を聞いていたゆーとがゆっくり顔を上げる。
その目はどこか悲しそうで、その目に映る俺もとても酷い顔だった。
｢…じゃあ、やっぱりあの時の人はいのちゃんなんだ…｣
『そう、だね…』
｢ならキスは…？�牴兇販�しよう�瓩辰童世辰燭里蓮�｣
『…それは、多分圭人に対抗したかったんだと思う、
最低なことしたのはわかってるんだ…だから、今からでも圭人と、｢それでも、俺の初恋はいのちゃんだよ｣へ…』
｢未来の俺がどんなことを思ってるかなんてわかんない、けど…今の俺が好きなのはいのちゃんだよ。
昔、この木の下で見た人が、俺の初恋の人だったから…。｣
『ゅ、と…』
じわ、と視界が滲む。
それと同時にガクン、と体が傾いた。
｢いのちゃん！？｣
あぁ、もう時間切れか…、
もっと、ずっと、一緒にいたかったのに…、
｢いのちゃん！ねぇ、嫌だよ！！｣
自分の手が徐々に透けてくるのがわかる。
顔の前にかざした手の向こうにゆーとのぐちゃぐちゃの顔が見える。
『ごめんね…ゆーと、、』
未来に戻っても、またゆーとと会えるのかな…
いつもどおり、また俺のところにおしゃべりしに来てくれるのかな…、
無理かな…、過去、変えちゃったもんな…、
｢行かないで…、いのちゃん…、、｣
あぁ、それ以前に俺、戻ったらちゃんと生きてるのかな…
『ごめんゆーと……俺、すっごい幸せだったよ……』
｢っ嫌だ…！そんな、そんなもう会えないみたいなこと言わないでよ…！｣
『…でも、もう本当に会えるかは……』
｢俺が見つける…！絶対、どこにいたって、俺が見つけ出すから…！！
だから…、、｣
ゆーとに握られた手ももう感覚がない。
あぁ、ゆーと、そんな顔しないで、もっと、笑って…
｢だから、
未来で、待ってて…!｣
この時代のゆーとはまだまだ幼い。
俺が汚しちゃいけない。
…だけど、わかっていても、いつだって会いたいと思ってしまう
俺の初恋の人
『…ぅんっ、待ってるよ』
もうほとんど実態の無い体をゆーとがぎゅぅと強く抱きしめる。
最後にもう感触のしない唇をちゅ、と重ねるとぼろぼろと零れる涙を拭ってとびきりの笑顔を見せてくれた。
『だいすきだよ、ゆーと』
_____未来で、待ってるから。
＊ ＊
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作者名：ぺす。
| 作成日時：2017年8月3日 21時
