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「……けぃ〜…?」
『………なに』
「…もうちょっと、こっちに…」
『嫌。』
久々に会える、触れられると思っていた愛しい彼は、
見るだけで触れられないという最悪の状況にいた。
いつもあま〜い声で呼ばれる俺の名も、
離れることのない真っ白な指先も、
俺の唇の着地点である紅い蕾でさえ、
遠い。
遠すぎる。
昨日の電話の時から、少しおかしいとは思っていたものの、
一体、何があったのか…。
俺たちだけじゃなくて他のメンバーも避けてるみたいだし、
「りょうすけ………」
「、うわぁ!?」
「ヒカルガ……タリナイ……」
不意に名前を呼ばれて振り返ると、すっかり死んだ目になった薮ちゃんが幽霊のように立ち尽くしていた。
「ちょっ、驚かさないでよ薮ちゃん!!」
「ヒカル……ヒカルゥ……」
呪文のようにブツブツと足りないを繰り返す。
皿屋敷のあれかと思ったよ もう…。
確かに、その気持ちはわからないでもないっていうか、実際気が狂いそうだよ俺も。
当の本人たちはダンスレッスンと聞いて慌ててトイレへ駆けて行ったけど、いつもなら普通にここで着替えるのに…
ほっそい慧の体を見て俺が「また痩せた?」って、それで俺に光くんが「はやく上着ろよ」って怒って。
なのに、
やっぱり変だ。
トイレもしたかったから、ならそれでいいんだけど、だけど、そうではない気がする。
「慧……………」
1人で抱え込まないでよ……
俺らは… 夫婦 なのに…
大貴「あ、ひか、いのちゃんおかえり!」
裕翔「あれ光くん珍しいね?Tシャツじゃないんだ?」
メンバーの声に振り返ると、ジャージに着替えた2人の姿。2人揃ってチャックを一番上までぴっちり閉めている。
ゆーてぃの言う通り、いつもの光くんはTシャツを肩まで捲ってるような人だし、慧はジャージを着てもだらしなくチャックは開いている。
やっぱり変だ。
体に触れるな。
近寄るな。
そして今の様子も、俺らの前で着替えようとしないことも。
昨日少し変に感じた声も。
…他の男と、寝たとか……?
いや、それはないな
だったら………
そんな…まさかだよな…?
そんなの、ありえないし………でも……
ほんとにそうなら、美人だというゆーてぃの言葉も、いつも以上に感じる色気も、納得が行く気がする………。
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Koupen(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです!!!更新...してくれたら嬉しいですっ!! (2020年5月2日 22時) (レス) id: 9188d9d255 (このIDを非表示/違反報告)
ぺす。(プロフ) - ぽさん» 終わらせるつもりは全然ないのですが、全く更新出来ていないのも事実で、本当に申し訳ない限りです… (2018年5月3日 16時) (レス) id: 5b6e4c5228 (このIDを非表示/違反報告)
ぽ - 終わっちゃうんですか? (2018年5月3日 11時) (レス) id: 5a53f9baf1 (このIDを非表示/違反報告)
ぺす。(プロフ) - 秋弥さん» え、ほんとですか!?すいません、そんなつもりはなかったんですが…どこら辺でしょうか?修正します! (2017年12月29日 16時) (レス) id: 5b6e4c5228 (このIDを非表示/違反報告)
秋弥(プロフ) - お知らせの下の更新一番最初のものと文が一緒だと思うのですが違ってたらすいません (2017年12月29日 10時) (レス) id: a5dc5670ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺす。 | 作成日時:2017年4月4日 12時