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『…ぁ、ゃぶっ、、』
「光、お腹すいたな、なんか作れる?」
『ぇ、あぁ、うん…』
曖昧な視線を一瞬だけ向けてから、ぱたぱたとキッチンの方へ駆けていった。
大丈夫、別に傷ついてなんかない。
光に無理させる気は無いし、
俺は、あの時と同じ、ゆっくり待ってればいいだけ。
だからなるべくそういうことは考えないようにして、、
『…やぶっ!』
「ん、えっ、」
なのに、再び近づいてきたスリッパの音は俺を引き止める。
ちゅ、と、撫でるような一瞬のキスを受けた後、仕掛けてきた本人は俺の胸で自分の顔を隠した。
「光…?」
『…違うの、薮が嫌いなわけじゃない…薮とするのが嫌なわけじゃない…。
ただ…この先のことを思うと、怖くて…
だから、もう少しだけ、時間ちょうだい…』
ぎゅぅぅうう、っと徐々に徐々に強くなっていく力。
ふるふると震える頭を見てると、本当は心の奥にあった不安も、焦りも、どこかへ飛んでいった。
「わかってるよ、大丈夫、俺はいくらでも待ってるから」
『ん…ごめん…』
髪を撫でてやればまたぎゅぅぅっと強くなる。
可愛い。かわいいカワイイ可愛い。
「…光、もう1回だけ、キスしてもいい?」
『ふっ、深いのじゃ、ないんだったら…』
紅い顔でそう呟いて、まつ毛をはためかせた光。
絶対襲わないって決めたんだから…
「あんま煽んなばか…//」
ぐっっっ、となんとか欲をこらえて触れるだけのキスをする。
ゆっくりと目を開いた光は再度俺の胸に顔をうずめて「何食べたい?」と呟いた。
「…………親子丼」
『わかった。待ってて、すぐ作るね』
きゅっと両の口角を上げて笑った光は今度こそその背中を向けてキッチンへ駆けていく。
きっと、さっきから抱きしめられる度に光の弾力に戸惑っている俺には微塵も気づいてないんだろう。
_____光が食べたい!!!!
俺は、その言葉をぐっと飲み込んで、深く深く息を吸いこんだ。
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Koupen(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです!!!更新...してくれたら嬉しいですっ!! (2020年5月2日 22時) (レス) id: 9188d9d255 (このIDを非表示/違反報告)
ぺす。(プロフ) - ぽさん» 終わらせるつもりは全然ないのですが、全く更新出来ていないのも事実で、本当に申し訳ない限りです… (2018年5月3日 16時) (レス) id: 5b6e4c5228 (このIDを非表示/違反報告)
ぽ - 終わっちゃうんですか? (2018年5月3日 11時) (レス) id: 5a53f9baf1 (このIDを非表示/違反報告)
ぺす。(プロフ) - 秋弥さん» え、ほんとですか!?すいません、そんなつもりはなかったんですが…どこら辺でしょうか?修正します! (2017年12月29日 16時) (レス) id: 5b6e4c5228 (このIDを非表示/違反報告)
秋弥(プロフ) - お知らせの下の更新一番最初のものと文が一緒だと思うのですが違ってたらすいません (2017年12月29日 10時) (レス) id: a5dc5670ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺす。 | 作成日時:2017年4月4日 12時