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心臓 ページ30

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 朝目覚めても昼目覚めても変わらない。小さな部屋()に閉じ込められている小動物の感覚を味わっているような気分。終わる事なんてなく、最期まで此処に居る人生。外れる事なんてなく、最期まで首輪(コレ)を付ける人生。そうさせたのは紛れもない自分だし、そう選んだのも自分。結局、何もかも自分が悪いのだ。
 二十歳になった今日、当たり前に変化のない日常。今日、何かが起こる。そう考えてしまう自分に、少し…いや、かなり吐き気がした。
 日が暮れるのを窓からボーッと眺めていた。あの夕焼けに一緒に吸い込まれないかな、なんて馬鹿げた事は何度考えた事だろう。でも無理だ。救えない。自分は何も出来ない。弱いから。
 反吐が出る程、(クズ)(ゴミ)雑魚(ザコ)だから。
 心臓の音が鳴り止まない。そりゃそうか、生きているのだから。じゃあ何故こんなにも心拍数が上昇しているのだろうか。それはきっと。


「コ、コイツを喰って下さい!我が家にとっての不要物なので!ホラ!お前も土下座しろッ!!!」

 部屋で大人しく待っていた自分に急にズカズカと入り込んだ主人が私の髪の毛を引っ張りながら屋敷の居間(リビング)に連れてこられ、そのまま部屋の柱に引っかかっていた鎖に首輪を繋がれた。今は後頭部を掴まれ床に額を擦り付けられている。その上背中を何度も思い切り殴られるのだからたまったもんじゃない。
 目の前にいるのは、この主人の子供の首を掴んでいる羅刹。隣には青い顔で泣きながら私を睨んでいる婦人。そして私の頭を何度も床に叩きつける主人。
 狂っている。狂ってしまう。壊れていく。壊れてしまう。

「ははは、めっちゃ殴られてんじゃん」

 羅刹はこの状況が面白いのかずっと笑っている。笑えない、笑えないからもう帰ってくれ。
 私が悪かった。普通の日常を望んでしまって。私が悪かった。自分の選択を憎んでしまって。私が悪かった。私が悪かったから。もう、終わりにしてくれ。


「んー、やだ」


 その瞬間、子供の首が飛んだ。パァンと破裂した様な、そんな音だった。そして転がった首を拾って喰っていた。胴体は見向きもせず「栄養たっぷりの味がする。良いモン喰ってるねぇ」とケタケタ笑っていた。私の額から血が流れている。何処か切ったようだ。地獄絵図と言えばいいのか、羅刹の狂った笑い声は部屋中に響いていた。


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清々→←明日



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うぇすとり?ぁー(プロフ) - 大ファンです!完結おめでとうございます!伏線回収も回想シーンも最高でした!自分はアザミちゃんが好きです。 (2021年10月3日 23時) (レス) @page48 id: 9275faa17d (このIDを非表示/違反報告)
ライアミ - めっちゃ泣けたヨ!布団がめちゃくちゃ濡れてんだけど……………ヤバいネ。感動をありがとアル!泣くことや笑うことはストレス発散になるからネ!終わりヨ! (2021年3月28日 1時) (レス) id: 2c479952a6 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 光華さん» コメントありがとうございます。光華さん、いつも自分の作品にコメントしてくださって、本当にありがとうございます!鬼滅作品を思う存分書いた後、すぐに銀魂復帰しますので、約束です! (2021年1月25日 0時) (レス) id: 611a77bbbd (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 完結おめでとうございます!次も鬼滅ですか!銀魂も鬼滅も好きなので!! 銀魂作品更新応援してます!何時までも待ってますんで、虚無感ゆっくり消化してください (2021年1月24日 18時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いくま | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年1月18日 20時

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