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弱者 ページ11

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 座り込んだ俺を見下ろす様にもう一人の彼女…いや、"アザミ"にしよう。彼女と同じ名前でも、俺は死んでもコイツをAと呼びたくねェ。


「じゃあ、第二部に行くわよ」

 アザミはそう言い放った。

「…行きたく、ねェ」

 俺は伏し目がちにそう答えた。するとアザミが俺の両頬を力強く掴んで無理やり振り向かせた。

「貴方ねぇ、馬鹿にしてるの?」
「やめろォ、顔近づけんじゃねェ」
「はっ倒すわよ」

 ギシギシと力が強まり、俺の両頬に跡が出来そうだ。まァこの程度の握力、痛くも痒くもねェけど。


「馬鹿に…してねェ。でも、これ以上アイツの過去を見るのは、…辛ェ」
「辛い?悲しい?見たくない?だから僕は殻に籠ってずっと此処に居ま〜す、なんて…通用すると思ってんの?貴方、ほんっとに弱いのね。そんなんでよくあの子を護るなんて言ったモンよ」

 目を血走らせながら、アザミは俺に説教をする。俺はアザミの手を無理やりどける。

「あァ弱ェよ!俺は弱ェよ!!!だからアイツの過去を見たくねェんだよ!もう既に終わった事を…知って、…どんな気持ちでまたアイツに会えばいいんだよ!!…どんな、(ツラ)して…アイツに会えばいいんだよ…ッ」

 半ギレながら、アザミに言う。声は荒々しく大声で、アザミの耳の鼓膜にどれくらい響いているのか、なんて思ってしまう。

「うるっさいわねぇ!!そんなんじゃ一歩も前に進めないじゃない!だから貴方はあの子の首輪を外せないんでしょ!?私はねぇ!認めたくないけど!貴方ならあの子を救えると思ったのよ!!でも今のままじゃダメなの、だからあの子を縛っている"鎖"を断ち切る為に知らなきゃいけないの!!」


 俺の声に対抗するようにアザミは声を荒らげて目を血走らせながら叫んだ。あァ、どこまでもうるせェ女だ。


「…分かったなら、さっさと行くわよ」

 冷たい視線を浴びせられ、でもその言葉とは裏腹に俺に手を差し伸べるアザミ。

「…俺お前の手を握りたくねェ」
「うっざい!いちいちうっざい!!」

 手をバシッと俺の頭に叩いてアザミは怒って行ってしまった。
 今のままじゃ、ダメだ。一歩も前に進めない。進まなくては。今を変えくては。


「──────始まんねェよなァ、A」


 俺も立って、アザミの後ろを歩き出した。






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「さっきのがあの子が十三の時の話。そして次が…アレは幾つの時だったかな。確か…十五の時」
「…十五の時に、何があったんだァ」



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うぇすとり?ぁー(プロフ) - 大ファンです!完結おめでとうございます!伏線回収も回想シーンも最高でした!自分はアザミちゃんが好きです。 (2021年10月3日 23時) (レス) @page48 id: 9275faa17d (このIDを非表示/違反報告)
ライアミ - めっちゃ泣けたヨ!布団がめちゃくちゃ濡れてんだけど……………ヤバいネ。感動をありがとアル!泣くことや笑うことはストレス発散になるからネ!終わりヨ! (2021年3月28日 1時) (レス) id: 2c479952a6 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 光華さん» コメントありがとうございます。光華さん、いつも自分の作品にコメントしてくださって、本当にありがとうございます!鬼滅作品を思う存分書いた後、すぐに銀魂復帰しますので、約束です! (2021年1月25日 0時) (レス) id: 611a77bbbd (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 完結おめでとうございます!次も鬼滅ですか!銀魂も鬼滅も好きなので!! 銀魂作品更新応援してます!何時までも待ってますんで、虚無感ゆっくり消化してください (2021年1月24日 18時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いくま | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年1月18日 20時

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