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挑発 ページ19

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 俺はまんまと宇髄の挑発に乗ってしまい、彼女を放置していた。握っていた彼女の手を離し、宇髄の胸ぐらを掴む。

「冗談だって」
「ぶった斬るぞテメェ」
「まぁまぁ落ち着けって、親睦会はまた今度俺の屋敷でド派手にやろうぜ。派手派手にな!」

 そう言う宇髄に「まあ!楽しみですね!」と甘露寺が笑って答えていた。隣にいる伊黒も「甘露寺が行くならついて行ってやらないこともない」と言っている。甘露寺大好きかよ。

「…あのー」

 するとさっきからずっと黙っていた時透が口を開いた。

「あァ?」

 俺は掴んでいた宇髄の胸ぐらを離し時透の方へ振り向いた。

「…あの、誰でしたっけ。アサギさん?が、今さっき此処から出て行きましたよ。風柱邸の場所…知ってるのかな」
「…は!?」
「時透、アサギじゃなくてアザミな」

 宇髄がそう言っていたが俺の耳には全く入って来ず、周りを見渡した。さっき宇髄の胸ぐらを掴んだ時に、手を離して。

「やらかしたな〜不死川、派手に俺達も捜索手伝おうか?」
「不死川さん、私手伝いますよ。Aさんが心配です」

 宇髄や胡蝶がそう言ったが俺は「いや、いい」と言って走った。



「もし見つかんなかったら鎹鴉で連絡するから、その時は手伝え!!」

 そう振り向き様に叫んだ俺は背中から皆の了承の声を聞くと同時に走る速度を早めたのだった。一体どこ行ったんだ。二十歳とは到底思えない、まるで妹を世話している様な感覚だった。

────Aは十の頃、家族の命令でとある一家の人質となったんだ。人質となって、今年で十年らしい。

 不意にお館様の先程の言葉が脳裏に過った。十の時からロクに声を出して貰えねェ環境、外出も禁止。そりゃあ、あんな風に育つ訳だ。同情をしているわけではない。ましてや哀れに思っているわけでもない。
 じゃあなんだ?何故彼女をこんなにも気にかける?この気持ちの正体は何なんだ。


「…」

 産屋敷邸を出て、近くにある森の中を探す。


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ほわ - はじめまして!読むの楽しいです!!もしかしてDECO*27さんの依存香炉の歌詞引用されてますか!?!? (2021年3月12日 10時) (レス) id: 67e3028028 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 芋けんぴさん» コメントありがとうございます。不死川さんのキャラ、書きやすそうで意外と書きにくい、掴みどころや考えてることが分からないような、、、そんな事をいつも考えながら書いてます笑作品を褒めて頂き嬉しい限りです!これからもこの作品をよろしくお願いいたします! (2021年1月18日 20時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 光華さん» コメントありがとうございます。確かに…共通点多いですよね、、、その姿にいつの間にか惚れてしまったのかもしれません…!もうすぐ続編へと移行しますので次の作品もよろしくお願いいたします! (2021年1月18日 20時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 初コメント失礼します。私も鬼滅だと不死川さん推しです。不死川さんのキャラを殺さず、丁寧に物語を紡いでいるところにとても惹かれました!今から続きを読ませていただきます!! (2021年1月18日 1時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - はわわわ 感激です! 鬼滅だったら不死川さんなのわかります!護る為に大切な人を突き放すところとか何か共通点があって土方さんと似てないけど似てるんですよね。(結局垢名前垢と同じ) 作品更新応援してます!  (2021年1月17日 17時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いくま | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年1月15日 15時

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