尊重 ページ17
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｢…実弥が、良いのかい？｣
お館様のその質問に、彼女はゆっくりと大きく頷いた。声は出していないものの、その肯定は初めての自分からの意思表示であり俺の右手と彼女の右手はガッチリと繋がっていた。目を見開き、俺は困惑しながらも繋がれた彼女の右手を見つめていた。何処にそんな力があるのかと言わんばかりの握力で、離さないように握っていた。
｢実弥、Aの初めての意思表示だ。尊重してくれるかな｣
｢も、…勿論です｣
｢しのぶ、申し訳ないけれど風柱邸の方へAを預けても良いかな｣
｢私は構いません。私より不死川さんの方が懐いている事は確かですので｣
胡蝶はそんな事を言っていた。
｢じゃあ皆、Aをよろしく頼んだよ｣
そう言ってお館様は退室なされた。俺達は頭を下げ挨拶をし、柱合会議は無事に解散されたのだった。退室したお館様の背中を彼女はじっと見つめていた。俺は彼女の手を握ったまま立ち上がり、そんな彼女を見ていた。そしたら急に隣にいた宇髄が｢こりゃ面白い女だな！派手に行動しやがって気に入ったぞ！｣と彼女に話しかける。当然、彼女は宇髄の方へ顔を向けることは無く俺の背中に隠れて目も向けなかった。
｢なんて図々しい奴だ、口を聞かない癖して不死川の所へ行きたいなんて意思があるなんて。俺はお前を認めない、認める事はない｣
｢伊黒さん！そんな言い方しなくても…Aちゃん、私は甘露寺蜜璃っていうの、よろしくね！｣
伊黒はネチネチと皮肉を言い、甘露寺は笑顔で彼女の方へ近づき握手を交わそうと手を差し出していた。俺の背中に隠れた彼女をチラッと見たが彼女は無反応で下を向いていた。それも早く帰れと言わんばかりの威圧を放ちながら。
｢お前、甘露寺が話しかけていると言うのに無視をするつもりか。許さない、俺はお前を許さない｣
｢…｣
ここまで皆の言葉に無視を続ける彼女。もはや清々しい。
｢Aさん、何時でも蝶屋敷に遊びに来て良いですからね｣
胡蝶がそう言って彼女に話しかけた。胡蝶の声に反応した彼女は俺の背中からヒョコッと顔を出してコクリコクリと何度も頷いていた。やはり胡蝶に対しては心を開いているらしい。フフと満足気に胡蝶は笑っていた。
｢不死川さんに負けてしまった事は腹が立ちましたが、Aさんの意志とならば尊重します｣
｢俺に対して失礼だろォが｣
｢あ、ホラ。冨岡さんもAさんに何か言ったらどうですか｣
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ほわ - はじめまして！読むの楽しいです！！もしかしてDECO*27さんの依存香炉の歌詞引用されてますか！？！？ (2021年3月12日 10時) (
レス) id: 67e3028028 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 芋けんぴさん» コメントありがとうございます。不死川さんのキャラ、書きやすそうで意外と書きにくい、掴みどころや考えてることが分からないような、、、そんな事をいつも考えながら書いてます笑作品を褒めて頂き嬉しい限りです！これからもこの作品をよろしくお願いいたします！ (2021年1月18日 20時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 光華さん» コメントありがとうございます。確かに…共通点多いですよね、、、その姿にいつの間にか惚れてしまったのかもしれません…！もうすぐ続編へと移行しますので次の作品もよろしくお願いいたします！ (2021年1月18日 20時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 初コメント失礼します。私も鬼滅だと不死川さん推しです。不死川さんのキャラを殺さず、丁寧に物語を紡いでいるところにとても惹かれました！今から続きを読ませていただきます！！ (2021年1月18日 1時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - はわわわ 感激です！ 鬼滅だったら不死川さんなのわかります！護る為に大切な人を突き放すところとか何か共通点があって土方さんと似てないけど似てるんですよね｡(結局垢名前垢と同じ) 作品更新応援してます！ (2021年1月17日 17時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)
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