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盛大な歓声と共に一年A組は入場した。ここまで大きいと他の組や科の人達がおまけの扱いみたいで何とも気まずい状態だった。A組に対してかなり敵対視されているのは嫌でも伝わった。
選手代表は爆豪だった。ヒーロー科の入試成績がトップだったからだ。爆豪の宣誓は実に滑稽なものだった。「俺が一位になる」ただそれだけを告げて彼は登壇した。周りの生徒は爆豪を自意識過剰だの調子乗んなだの卑下していたが、彼はいつもと違う様子だった。中学までの彼ならこの宣誓をきっと笑いながら言うのだろう。きっと追い込んだのだ。自らの意思で。それくらいこの体育祭に対して本気を出そうとしている事が嫌でも伝わってきた。
────それに比べて、私はどうだ。
入場行進前に普通科の生徒とすれ違った。普通科の生徒の一部はヒーロー科の入試に落ちた生徒も在籍しているらしい。この体育祭を気にヒーロー科に転入する事も可能だという情報も言っていた。その人達の目も、爆豪と同じ本気の目をしていた。轟も緑谷もそうだ。クラス最強の轟に宣戦布告をされた緑谷が、怯まずにその挑戦状を受け取った。あの臆病な緑谷が、だ。切島だって上鳴だって瀬呂だって。皆本気だ。
私はヒーローを目指していない。個性を使う許可を得る為にこの雄英に来た。それは敵を皆殺しにする為、死柄木を殺して私という存在を正当化させる為。ヒーローを目指す理由はそれぞれある事くらい知っている。私の理由はこれだ。周りがこの理由を聞いてどう思うか、どう感じるかなんて知った事か。私には私のやるべき事がある。それが、仮免。ヒーロー免許。
では、体育祭はどうなる。プロヒーローにアピールしたところで、どうなる。私がもし是力を尽くして体育祭で上位にランクインし、どうなる。好きでもないプロヒーローに声をかけられ、そこにインターンに行き、正義とは何なのかを皮肉にも学び、そして─────どうなる？
「…」
ああ、間違っていた。私は此処に居るべき人材ではないんだ。危ない、もう少しで私はヒーローを気取ってしまう事となっていた。私はヒーローなんてなれない。敵を殺すのがヒーローではない。困っている市民を護るのがヒーローだ。私はそんな正義になれない。なれやしない。
第一種目である障害物競走の説明を聞き流しながら私は悟った。やめよう。そうだ、そうだ。
「
スタートの合図がなる。と同時に轟が地面に氷を張る。私は、動かない。
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麗葉 - とても面白かったです！空白があると読みやすいかなと思います！ (6月19日 14時) (
レス) id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - レオさん» コメントありがとうございます。夢主の過去は後に出てきますので暫くお待ち頂けると幸いです。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - eggちゃんさん» コメントありがとうございます。更新頻度をあげられるよう全力を尽くしますのでこれからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - のむさん» コメントありがとうございます。ファンになって頂けるなんて光栄です。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
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