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脳無が動き出した。身体は割れているというのにも関わらず、「超再生」という能力で動き始めた。聞けばオールマイトの100%にも耐えられる様に改造された超高性能サンドバッグ人間らしい。今までにないスピードでオールマイトの方へ近付く。黒霧を押さえつけていた爆豪の方に被害が行くと思ったが、オールマイトがそれを庇う形で受け止めていた。
オールマイトは私達に逃げなさいと言った。皆戦う気満々だったが、彼の気迫にやられてその場で待機する形となった。皆が皆、オールマイトの戦いぶりに釘付けだったのだ。鼻の穴から出てくる血は止まる気配はなく、口の中も切れ、右腕の骨は粉砕され、肋も何本か死に、身体の節々が悲鳴をあげている中、凍えるような寒さに耐えながら私もその姿を見ていた。ただただ、傍観していた。
─────
その先に、何があるのか。私には分からない。ヒーローを目指す事の本質さえ理解が出来ていない。他人をああまでして助けるその姿に、生命を張ってまで闘うその姿に。
憧れや尊敬などといった言葉は出てこなかった。
「さてと敵。お互い早めに決着つけたいね」
「……チートが」
頬をボリボリと掻きむしりながら死柄木の低い声が響く。まだ来る。まだ殺りに来る。
黒霧が死柄木の傍で何やら耳打ちをしていた。子供達は棒立ち、死柄木と黒霧で連携を取ればまだチャンスはあると伝えている。平和の象徴と呼ばれるオールマイトの様子も、私が見る限り少し変だった。脳無に受けたダメージはかなり大きいようだ。多分負ける。このままやり続けると、オールマイトは愚か此処に居る生徒全員が死ぬ。
「オールマイトから離れろ！！」
その時、誰もが目を疑った。緑谷が飛び出した。かなりの速さで、それも躊躇なく黒霧に殴りかかろうとしていた。立つ事で精一杯な私は呆気に取られた。口を半開きにして、緑谷のその頼りない背中を見る事しか出来なかったのだ。何で、何でアイツは───。
────何でそんなにかっこいいんだよ。
黒霧の手が緑谷に掴みかかろうとする。しかし、その手は弾き飛ばされる。オールマイトは「来たか！」と叫んだ。これは、多分、いや、きっと。
「1-Aクラス委員長 飯田天哉！ただいま戻りました！！」
増援だ。大量のヒーロー達と共に飯田が戻って来た。足の速い飯田は先生を呼びに行っていたらしい。私は何も知らなかったが、その姿を見て不覚にも助かったと安堵した。
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麗葉 - とても面白かったです！空白があると読みやすいかなと思います！ (6月19日 14時) (
レス) id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - レオさん» コメントありがとうございます。夢主の過去は後に出てきますので暫くお待ち頂けると幸いです。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - eggちゃんさん» コメントありがとうございます。更新頻度をあげられるよう全力を尽くしますのでこれからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - のむさん» コメントありがとうございます。ファンになって頂けるなんて光栄です。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
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