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オールマイトの気迫とスピードの速さに瞬きをする間もなく死柄木は殴られる。その時、死柄木の顔面に掴まれていた「手」が落下したのを私は見逃さなかった。当然私もオールマイトの腕の中だったが、その腕を振り切って私は無我夢中で走った。オールマイトが「志村少女！」と叫んだがそんな事を気にしてる場合じゃない。「手」が落ちた。落ちた。落ちた落ちた落ちた落ちた。
私が「手」を伸ばす。右腕は使い物にならないから、左手で。伸ばす。伸ばす伸ばす伸ばす伸ばす。
「あああ…ダメだ…ごめんなさい……お父さん」
私が掴もうとする前にその「手」を死柄木が拾う。私の「手」は─────届かない。
は？ふざけるな。ふざけるなふざけるなふざけるな。何が、何が───。
「何が……"ごめんなさい"だ…ッ！！！」
オールマイトが脳無と戦う。それをただ傍観しながら小言をいう死柄木。私の声なんて聞こえない。私の「叫び」なんて、聞き入ってくれやしない。死柄木も、オールマイトも。誰もかれも、皆みんな、知りもしない。
オールマイトがピンチだった。弱くなっているという噂があったように、本当に彼はどこか怪我を隠しているかの様な戦い方をしているみたいだった。立つ事がやっとな私は痰を吐き出して咳を何度もした。呼吸が苦しい。が、それ以上に心が苦しい。寒い。とてつもなく寒い。季節はもう暑くなる寸前だと言うのに、悪寒が、寒気が、真冬並に震えが止まらない。
─────丁度、その時だった。
「オールマイトォ！！」
また、だ。またこの感覚だ。緑谷が走って戻って来た。アイツに出来る事なんて何も無い癖に、どうせ来た所で足でまといな癖に。彼は「ヒーロー」のようにやって来るんだ。私の為に来てくれている訳じゃない。そんな事は分かっている。だけど、だけど今は────。
「……助けろよ」
無意識に、そう呟いてしまった。
「どっけぇ！！邪魔だァ！！」
そんな最中、激しい威力の爆発音が目の前を通り過ぎる。こんな派手な登場をする男なんて一人しか居ない。そう、爆豪勝己だ。奴がやって来た。緑谷を差し置いて一人で脳無に殴り掛かった。切島も、轟も、──緑谷も。皆、オールマイトを助けに、敵を倒しに、此処に来た。
「平和の象徴は、テメェら如きに殺られねえよ」
皆がそう言う。轟の氷結によって動きが鈍くなった脳無からオールマイトは無事脱出していた。形勢逆転の合図だった。それに心から喜べない自分が居た。
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麗葉 - とても面白かったです！空白があると読みやすいかなと思います！ (6月19日 14時) (
レス) id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - レオさん» コメントありがとうございます。夢主の過去は後に出てきますので暫くお待ち頂けると幸いです。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - eggちゃんさん» コメントありがとうございます。更新頻度をあげられるよう全力を尽くしますのでこれからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - のむさん» コメントありがとうございます。ファンになって頂けるなんて光栄です。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
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