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戦闘は冷静さを失った者から敗けていく。昔、私はそう学んだ事があった。
「切島、捕獲用のテープは持っているよな」
「？お、おう！」
「それを右手で持ってて欲しい」
私がそう言うと切島は右手で捕獲用のテープを持ち替えたと無線越しに伝えてくれた。準備は整った。
「志村？今から何すん、」
その時、廃ビルの二階で大きな地震が生じた。床はミシミシと音を立て、壁に沢山の亀裂が走る。切島の右手を記憶の済から引っ張り出し、私は彼が持っている捕獲用テープを動かした。配置も、場所も。全て私の「ナカ」に叩き込んでいたのだ。
「念力」はただモノを動かせる能力だと思われがちだが、私の個性はそうではない。脳に刻み込んだ景色、モノ、人、空間────全て記憶した分だけ自由自在に操れる。たとえそれが今居る場所ではなくとも、意図も簡単に捕まえられる。試合が開始され、私が通った場所の中で「敵チーム」である二人を発見した瞬間から、もう勝負はついていたのだ。
「上鳴・耳郎ペア捕縛！ヒーローチーム、WIN！！」
アナウンスが聞こえ、私はサングラスを外した。この後はオールマイトの講評だが、多分私達は怒られてしまうだろう。チーム戦にも関わらず私個人で勝手にやり放題してしまったからだ。しかも切島には何も伝えていない。彼には悪い事をしたとは思っているが、私は仲良しヒーローをやりに雄英に来た訳ではないため個人戦を辞めるつもりはなかった。
「志村！お前違う場所からでもモノ動かせたんかよ！！つーか言ってくれよな！俺何もしてねぇじゃん！」
「それは悪かった。でも切島が居場所を知らせてくれなかったら捕まえる事が出来なかったよ」
そう伝えると切島は言い返せなくなったのか黙り込んだ。講評も予想通りだ。私の個人戦にも伺えたのでもう少しチームプレーを拝見したかったの事。しかし冷静な判断力と個性の使い方はオールマイトも絶賛していた。良くも悪くも反応が悪い私はあまりちゃんとした返事を返せなかった気もする。それ以上に爆豪の視線が痛かった。それともう一人、氷を操る個性を持った、轟と名乗る少年からの視線も感じた。
授業が終わり周りの生徒達は皆揃って訓練の反省会をしていた。爆豪は他の生徒達に止められたが、構わず教室から出て行ってしまった。私も便乗して帰ろうと思い、彼と距離をとって教室を出る。その途中で保健室から帰ってきた緑谷と廊下ですれ違い、一応怪我は大丈夫なのか、と声をかけておいた。
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麗葉 - とても面白かったです！空白があると読みやすいかなと思います！ (6月19日 14時) (
レス) id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - レオさん» コメントありがとうございます。夢主の過去は後に出てきますので暫くお待ち頂けると幸いです。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - eggちゃんさん» コメントありがとうございます。更新頻度をあげられるよう全力を尽くしますのでこれからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - のむさん» コメントありがとうございます。ファンになって頂けるなんて光栄です。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
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