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何度目か分からない出来事に私は振り向きながら溜息を吐いた。爆豪だ。彼の表情は体力テストで一位になれなかった悔しさと緑谷に個性が発現した事への狼狽えによる感情が混ざりに混ざった様な顔だった。私は彼へ少しばかり同情しつつ「何か」と答えた。爆豪はどす黒い声を最小限のボリュームに抑え、私の方に近づき口を開く。
「アイツ…クソデクに個性が発現した事…テメェは知っとったんか」
「いや、知らない」
「……じゃあ何でテメェは驚いてねェんだよ」
「関係ないから」
「あ？」
「緑谷に個性が出ようが出まいが、私には関係の無い事だからだ。質問は終わりかい、じゃあもう戻るよ」
爆豪の返答を聞き入れずに私は彼に背を向けて更衣室に戻った。言葉通りだ。緑谷出久に個性が発現したところで私に何ら支障をきたす事はない。それは爆豪にも言える事だ。しかし爆豪はそれを許さない。何故ならプライドがあるからだ。
体操服から制服に着替え、私は早々に退出する。女子は女子で固まり自己紹介やら談笑をしていたが、私は特に話す事もなかったので一人で校門を出た。その際同じクラスの眼鏡の少年と緑谷が二人仲良く並んで歩いているのを見かけたが別に話しかけたりしなかった。
それから瞬く間に日は過ぎていった。雄英高校ヒーロー科の授業は特殊である。午前中は普通の一般的な基礎科目を学ぶが、午後になるとヒーローの素地を作るため様々な訓練を行う「ヒーロー基礎学」という授業を受ける事となる。今回の授業は戦闘訓練だった。各自入学前に提出した個性届と要望に沿ってあつらえた
私が要望したコスチュームは至ってシンプルな黒服だった。念力という個性は基本的に遠距離戦を得意とする為、色だけ黒を注文し、後は特に記載しなかった。言ってしまえば私の個性は「手」と「脳」さえあればいいのだ。それ以外は特に必要としないし必要とされない。しかし流石雄英高校ヒーロー科。特注したコスチュームはまさかのスーツだった。だが素材はとても伸びが良い。モスグリーンのワイシャツに黒いネクタイ、上に羽織るのは勿論黒いジャケットという格好となった。傍から見たら男性に見間違えられてもおかしくはない。視力が良い私だがやはり限度があるとの事で遠距離でもよく見える特殊レンズが組み込まれたサングラスと寒がりな私に気を使ってか黒い手袋まで装備されていた。有難く嵌めさせてもらうとしよう。
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麗葉 - とても面白かったです！空白があると読みやすいかなと思います！ (6月19日 14時) (
レス) id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - レオさん» コメントありがとうございます。夢主の過去は後に出てきますので暫くお待ち頂けると幸いです。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - eggちゃんさん» コメントありがとうございます。更新頻度をあげられるよう全力を尽くしますのでこれからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - のむさん» コメントありがとうございます。ファンになって頂けるなんて光栄です。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
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