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「…何だよ、ひとつだけって」
「……」
きっとこれを言ったからって爆豪に何かが変わる訳ではない。そして多分頭の良い爆豪なら既に分かっている筈だった。だがしかし、それでも一応言っておこうと思った。ただ私に突っかかってくる爆破野郎の印象はいつの間にか少しだけ消えていたようだ。
「『──』だ」
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試合開始の合図が鳴る。と、同時に麗日は爆豪に向かって知って行く。やはり予想通りだ。彼女はどうにかして彼を「浮かせに」来る。女だからといって手加減をする様な人間でない事は重々承知だが、この試合、早々に終わらせられないだろう。
「『速攻』だ」
試合前に私が言ったこの言葉をもう一度繰り返した。麗日は速攻で爆豪を浮かせに来る。それはもう何度も、絶対に。私は彼女がボロボロになりながらも爆豪に食らいつく姿を目で追う。ああ、まだだ。まだ麗日は倒れない。
だって、
爆豪はやはり気付いていない。麗日がまだ策を残しているという事に。ただ破らか棒に突っ走っている訳ではない事に。低姿勢での突進で爆豪の打点を下に集中させ続け武器を蓄えていた。そして絶え間ない突進と爆煙で視野を狭め悟らせなかった。
「……甘く見るなよ」
私は呟く。流星群のように瓦礫が爆豪に向けて襲いかかる。麗日による会心の一撃はある意味私の念力と似ていた。この勝負、決まったな。やはり甘く見過ぎていたのだ。
「─────
一撃だ。麗日の秘策を堂々と正面突破。確かに彼女の秘策は悪くなかった。きっと爆豪は気付かなかっただろう。しかし、彼女もまた詰めが甘かった。会心の一撃かもしれないが、あの程度であれば爆豪に関わらず私も一撃で倒せる。単純に彼女が今出来る最大限の威力が爆豪よりも思っていた。ただそれだけの理由だ。そして、先程も言ったが、この勝者は決まっていた。
「キャパオーバーだな」
私の声と同時に麗日は倒れる。彼女のキャパはもうとっくに超えていたのだ。この試合は爆豪勝己の勝利で幕を閉じたのだった。
彼女は救護室に運ばれた。全ての試合が終了し、小休憩のアナウンスが入る。時期に爆豪も観客席へ上がってくるだろう。私は今経営科に紛れて観戦しているが、一応ヒーロー科の席も用意されていた。そこにはお馴染みのA組生徒達が並んで観戦している。爆豪もそこに行くだろう。
私は小休憩の間に席を立つ。向かう先はA組の控え室だった。
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麗葉 - とても面白かったです！空白があると読みやすいかなと思います！ (6月19日 14時) (
レス) id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - レオさん» コメントありがとうございます。夢主の過去は後に出てきますので暫くお待ち頂けると幸いです。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - eggちゃんさん» コメントありがとうございます。更新頻度をあげられるよう全力を尽くしますのでこれからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - のむさん» コメントありがとうございます。ファンになって頂けるなんて光栄です。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます。これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (2021年12月14日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
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