検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:32,691 hit

ページ ページ7

.



「ほれアイス」
「あざっす」
「不死川とこうやって話すの初めてだな」
「担任じゃないっすもんねェ」

 チョコレートアイスを頬張りながら不死川はそう言った。その姿を横目に俺はパソコンを起動して「そーいやさぁ」とさりげなく口を開く。

「今日はウチの志崎が悪かったな」
「あー、あれ一体何だったんすかねェ」
「…………まあ、忘れようや」

 流石にお前のビジュの良さに悶絶して鼻血垂らし、挙句の果てには婚約を申し込んだなんて知られたら確実に引かれるだろう。そうなりゃ俺の計画が見事パアだ。それだけは何としても避けなければならない。

「不死川ってさー、タイプな女とかいねぇの?」
「何なんすか急に」
「いーじゃん、恋バナしようぜ青春真っ盛りなんだしよ」
「何が楽しくて野郎の先生と恋バナしなきゃならねェんすか」
「アイスやっただろー。てか、どんな子がタイプなんだよ。やっぱりアレだよな?男はみんな医療系女子がタイプだよな?」
「初耳っすねソレは」
「不死川も好きなんだろ?医者はいいぞ将来の為にもお前は医者の女と結婚しろ」
「意味分かんねェっす」

 アイスを食べ終わり、木の棒だけになったモノをゴミ箱に捨て不死川は俺の方へ振り向いた。

「まァ一概にタイプとかねェっすけど、強いて言うなら…」
「…強いて言うなら?」

 深く考える素振りを見せ、頬を掻き、眉間に皺を寄せて考え付いた回答を俺はひたすら待つ。

「……よく笑う子、かなァ」
「ブベァッッ」
「…は?」
「いや何でもない」

 ゲフンゲフンと謎の効果音を鳴らせながら俺は咳き込む。今なんて言ったんだこの男。よく笑う子だと。ヨクワラウコだと。停止しかけた思考をフル回転させ俺は志崎の容姿を思い浮かべた。
 常に真顔で、片方の鼻の穴にティッシュを突っ込んで、参考書片手に口を開けば結婚しか言わない女の姿を想像する。



「……無理じゃね?」



.

第4章 使える→←第3章 無理じゃね?



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (199 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
137人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

いくま(プロフ) - 紅乱さん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまい申し訳ございません。表現力や語彙力はまだまだ乏しい段階ではございますがこんなにも褒めていただき光栄です本当にありがとうございました、、!! (2022年4月8日 13時) (レス) @page49 id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱(プロフ) - 月並みな感想になってしまいますが本当に本当に面白かったです!作者様の語彙力、表現力が凄まじいのもあり完全に時間を忘れて物語にのめり込んでしまいました。素晴らしいお話をありがとうございました!! (2022年2月25日 16時) (レス) id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ぽてちさん» コメントありがとうございます!!そして面白いと言っていただき本当に嬉しいです😭最後のイラストまで見ていただいて、、、落書き程度のイラストですが本当にありがとうございます。ギャグ線全開の夢主でしたが、最後までお付き合い頂きありがとうございました、、! (2022年2月8日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 光華さん» 光華さん!お久しぶりです!!そしてコメントありがとうございます!いつも読んでくださって嬉しい限りです😭いつもありがとうございます、、! (2022年2月8日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 雪見だいふくさん» コメントありがとうございます!そして最後までお読み下さり本当にありがとうございました!恋愛よりもギャグをとったこの作品でしたが、楽しんでもらえて光栄です!!!😭 (2022年2月8日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:いくま | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年8月8日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。