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「だから洸太くんの過去を聞いた時…凄く胸がキュってなって、僕の考え方はただ1人の意見なんだって気付かされて」
下を向きながら緑谷は言葉を発し続けた。口から出されるその希望的、肯定的な言葉が私の心臓を深くそして強くひしひしと潰していった。
彼はとても勇敢な少年だ。彼みたいな性格の持ち主が、きっと弱い者、チカラのない者を救け出せるのだろう。
─────だから、だから。
「だから洸太くん達に認めて貰えるような、正義のヒーローにならなきゃなって……」
「『正義』って、なんだよ」
だからこそ、やめて欲しかった。
「……え？」
緑谷は目を見開いた。そして、その大きな瞳をこちらに向けて、口をだらしなく開けた。私の目は、私の瞳は彼にどう映っているのだろうか。その絶望し切った眼差しを軽蔑してくれないか。
「なあ、教えてよ」
「な…何を？」
「君は主人公だからヒーローを目指せたんだろ。君の人生は、君のものなんだろ。だったら…自分の人生が元々自分のものではない人間に陥ったら、どうすんのさ」
「志村さん…？何を言って、」
「上っ面の希望論はやめろよ。人生皆上手くいくとか、努力をすれば実るとか、そういうのやめろよ。無意識でもやめろよ。たとえ思っていても周りに言うなよ。
……君を見てると自分が惨めになるんだ。とっても、とっても虚しくなるんだ。負け組の気持ちだ。君の正義と私の正義は根本が違う。分かり合えないんだよ、絶対に」
そう、分かり合えない。共存なんて出来やしない。それぞれの境遇が違いすぎる故の、結果だ。
「分かり合えないから、
そう言いながら私はスタスタと女子部屋の方へ歩いた。彼に背を向けて、振り返ることもせず。ただただ自身の足元を見つめながら足を動かした。
大丈夫、私は間違った事など言っていない。アイツが悪いんだ。全て全て、あの勇敢な眼差しが私を醜くさせるのが悪いのだ。そう言い聞かせながら、必死に歩いたのだった。
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三日目、昼。個性を引き伸ばす訓練、続行である。期末テストに引っかかった補習組の動きが前日より明らかに鈍っていたため、目に止まった。昨夜の女子会が響いたのか、先に寝てしまった私は分からない。
「あの後、補習組は別室で補習に移動してたのよ」
「なるほどね。芦戸だけか」
隣に居た蛙吹がそう教えてくれた。あんなに盛り上げといて、自分はその後補習に行ったのかよ。
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コミー - お話の内容が好きすぎて一気読みしました。小説の設定、内容、文章の書き方、全て素晴らしくて本当に好きです好きすぎてやばいです！更新待っています！ (3月26日 1時) (
レス) id: d07e4a403b (このIDを非表示/違反報告)
雪だるま - 銀魂から来ました！あなた様の書く文章大好きです！続き待ってます！！ (3月10日 6時) (レス) id: 34bbee5856 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - 瑞樹さん» コメントありがとうございます！凄いなんて嬉しいお言葉、しかも2回も、、笑笑 更新頻度が遅めで申し訳ないです、完結させるので最後までこの作品を宜しくお願い致します！ (6月27日 13時) (レス) id: 00c9f79f13 (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹(プロフ) - なんと言う文才……え。凄すぎません？ 凄すぎません？(2回目) 語彙力がなくなるほど素晴らしいとは何事……？ ファンです。応援しています！ 主様も体調にはお気をつけ下さい‼︎ (2023年2月14日 7時) (レス) id: 20e1982af2 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - みかんの皮さん» コメントありがとうございます。文章の書き方なのですが、基本の小説は縦読みが普通となっておりますので、その書き方に忠実に従いたいと思っております。あくまで私の書く夢小説は「小説」ですので、そこの所をご理解して頂けたらなと思っております。申し訳ないです。 (2023年1月3日 10時) (レス) id: 00c9f79f13 (このIDを非表示/違反報告)
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