へいさねみん【不死川実弥】

返事 ページ31

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　卒業式は午前9時半開始だった。10クラスの生徒達が廊下に集まり、出席番号順に並んで体育館へ移動する。悲鳴嶼先生はもう既に泣いていた。いや早いって。

｢3年1組｣

1組担任の珠世先生が生徒の名前を読み上げていく。

｢胡蝶しのぶ｣
｢はい｣
｢素山狛治｣
｢はい｣
｢冨岡義勇｣
｢……はい｣

　冨岡の返事の遅さ。
　 1組の生徒が全員立ち上がり、次は2組。担任の悲鳴嶼先生が涙ぐんだ声で私達のクラスの名前を呼んでいく。

｢宇髄天元｣
｢はーい｣
｢神崎A｣
｢はい｣
｢不死川実弥｣
｢はい｣

　宇髄以外は皆ちゃんと返事をしてその場に立ち上がっていた。2組が終わり、次は3組。担任の鱗滝先生が3組の生徒の名前を読み上げる。

｢伊黒小芭内｣
｢はい｣
｢甘露寺蜜璃｣
｢はいッ！！｣
｢煉獄杏寿郎｣
｢よもや！！！｣
｢煉獄杏寿郎｣
｢はい！！！！｣

　煉獄杏寿郎(２回目)とは。



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　 1組1番の子が代表で卒業証書を受け取り、校長先生の長いお話を聞いて来賓の方々の話が始まる。もう既に私は夢の中に居て隣の女の子に肩をトントンと叩かれて目が覚めた時には来賓の方々の話も終わっていた。
　隣の女の子は殆ど話した事がない子だった為、何で起こされたのか疑問を持ちながらその子の方へ顔を向ける。するとその女の子が少し眉を下げて笑いながら右向きに小さく指さしていた。
　頭に？マークを浮かべながらその方向へ顔を向けると、怒り狂った表情のさねみんが私の方へ顔を向けながらギロッと睨んでいた。

　はい納得しました。

｢起きます｣
｢ははは…｣

　小さな声でそう言って、隣の女の子が苦笑いしていたのが私の卒業式の一番の思い出だろう。


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｢在校生じゃあるまいし寝るんじゃねェよ｣
｢つい｣
｢ついじゃねェ馬鹿野郎｣

　卒業式も終わり、教室で皆がガヤガヤと先生が来るのを待っていた。さねみんは教室に着いた瞬間鬼の形相で私を叱り付ける。卒業式まで怒られる私とは一体。

｢派手に怒られてるなぁA｣
｢宇髄さっき在校生に呼び出しされてたでしょ｣
｢おう、派手に告られたぜ｣
｢流石モテるね〜宇髄は｣
｢褒めても何も出ねぇぞ！｣
｢見る目ないね〜その子は｣
｢ん？｣

　宇髄も私達の席に来て3人で駄弁っていた。すると悲鳴嶼先生と生徒達の保護者が教室に入って来て、各自自分の席に戻る。


｢卒業おめでとう｣


　悲鳴嶼先生のお話が始まり、ガヤガヤしていた雰囲気が一気にしんみりした雰囲気へと変わった。


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