笑顔 ページ4
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頼んだホットコーヒーを1口飲み、そしてまた古典の問題を解いていく。間違った場所の解説を読んでまた違う問題。最近授業中に寝ていないから抑えられない眠気と戦いながらシャーペンを走らせる。カフェイン中毒になりそうだ。
「Aさんは数学しないのですか?」
そんな時、目の前に座る胡蝶さんが私に話しかけた。眠そうな目付きを誤魔化しながら胡蝶さんのほうに顔を向ける。
「…いやー、最近古典してないなって」
全くの嘘である。昨日かなりの時間をかけて古典をやった。なんなら文系科目はかなり点数が伸びている。伸びないのはやはり理系科目、数学。
「私も甘露寺さんも数学をしてますし、Aさんもどうでしょうか」
「そうよね!3人で数学しましょう!しのぶちゃん理系だし数学教えるの上手だし!」
「……そうだね〜」
隣に座る甘露寺さんの笑顔に負け、私は古典の参考書を仕舞って代わりに数学のワークを取りだした。久しぶりにする数学。少しため息をついた。
「Aちゃんはもう志望大学決まっているの?」
甘露寺さんにそう聞かれて、思わずシャーペンの芯が折れてしまう。
「…まぁ、一応」
「そうなの!何処か聞いても大丈夫かしら?」
どうやら私は甘露寺さんの笑顔にめっぽう弱いらしい。彼女の笑顔を見てしまうと隠し事がまるで通用しなくなる。
「……××大学」
「まぁ!頭良い所!凄いわAちゃん!」
「いやー高望みし過ぎたかも。行けたらの話だから」
「Aちゃんならきっと行けるわよ!」
お世辞じゃなくて本当に心からそう思ってくれているのが私にも伝わるくらい嬉しそうに言う甘露寺さん。だから憎めないし可愛らしくてモテるんだ。
「私もAさんなら大丈夫だと思いますよ」
「胡蝶さんまで…」
「しのぶちゃんはどこを目指しているのかしら!」
「私は○○医大ですよ」
「まあ……」
その大学名を聞いた瞬間私と甘露寺さんは口をポカンと空けてあっけらかんとしてしまった。腕の良い医者をバンバン出すで有名なあの大学。流石胡蝶さんだ。彼女なら行ける気がする。
「甘露寺さんは?」
「私は芸大を受けるつもりなの」
「甘露寺さんらしくて可愛い」
「もう!Aちゃんったら…」
顔を赤くして照れる彼女を見ながらやっぱり可愛いなって思った。すると胡蝶さんがココアを飲みながら甘露寺さんに話しかけた。
「伊黒さんとは別の大学なのですね」
「そうなの。でも伊黒さんも応援してくれるって」
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ポンコツ(プロフ) - すっごいドンピシャに好きな作品でした!! (2022年11月8日 18時) (レス) @page45 id: 16f55af0f9 (このIDを非表示/違反報告)
澪奈(プロフ) - 完結おめでとうございます!とっても面白かったです!!次回作も楽しみにしています! (2021年3月9日 21時) (レス) id: 20f17d6d24 (このIDを非表示/違反報告)
凪子(プロフ) - さねみんなら、一生お世話されたい!!楽しい作品だったぜィ(^^) (2021年3月9日 21時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 完結おめでとう!!とにかく可愛らしくて勝手に2人の保護者面して見守っておりました…。ゆっくりと2人のペースで進んでる姿が本当に見えてきてこの先も笑い合っていくんだなって思うと本当に素敵な2人!最高なお話をありがとう!次回作もゆっくり頑張ってね!!! (2021年3月9日 20時) (レス) id: 1ceb99e799 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - もしゃこうさん» コメントありがとうございます!この作品を最後まで読んでくださり本当に嬉しいです、、!次回作も見てくださるんですか!?ええ嬉しい涙ありがとうございました、! (2021年3月9日 20時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
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