発表 ページ29
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｢あ、今日イヤリングしてるんだよ｣
｢知ってる。とっくに気付いてた｣
｢さすが〜｣
抱き締められるのを離されて、手を繋いだまま私の家まで送ってくれた。さねみんの手はあったかくて大きい。私の大好きな手。
｢明日、合否だなァ｣
｢それ言っちゃうか｣
｢一緒に見に行くかァ？｣
｢…ネットでとりあえず見るかな｣
｢はは、そうだな｣
あっという間に私のマンションに到着してしまった。名残惜しそうな表情で彼に"ばいばい"とだけ言ってマンションの中に入ろうとした。
その時、だった。彼が私の腕をぐいっと引っ張り、彼の中にすっぽりと私の体は収まる形になった。
｢明後日、卒業式だろ｣
｢うん｣
｢───────大事な話が、あるから｣
"じゃあ、また明日"と言って私の返答も聞かずに彼はスタスタとマンションから消えていった。
大事な話
｢……なんか、怖いなぁ｣
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翌朝。××大学合格発表日。珍しく早めに目が覚めて私はむくりとベッドから起き上がり、いつものように顔を洗って歯を磨き、髪の毛を適当に整える。
緊張感は、抜けない。その日は日曜日で、お母さんもお父さんも家に居た。お母さんが作った朝食は美味しかった。アオイのが美味しいけど。
発表は、午前10時。それまで何をするかとかそんな事を考える余裕もなく、ただただ適当にスマホをいじったりテレビをつけたりとソワソワした時間を過ごした。
｢あ、｣
気が付くと午前9時55分。つまり5分前。テレビを消して自室に戻り、パソコンを起動した。ドクン、ドクンと心臓の音が鳴り響いて止まない。さねみんも家でパソコンを開いているのだろうか。きっと開いているだろうな。そんな当たり前の事を考えて少し気を紛らわせ、カタカタと打ち込みを始めた。
午前9時59分。サイトを入力し、後はエンターキーを押すだけ。頼む、今まで頑張ってきたんだから。
─────お願い
午前10時00分。カタ、とエンターキーを押して思わず目を瞑る。開けたら結果が見える。
｢……｣
うっすらと、瞼を開かせた。自分の受験番号を、探す。
65××××
｢……あ、｣
見慣れた番号が、画面に写った。その瞬間、ガタンと立ち上がる。座っていた椅子は転げ落ちる。
｢や、やったああああ！！！！！｣
今まで出した事ないくらいの声量で、私は叫んでしまった。その声に反応した家族が私の部屋に入って抱き締めてくれた。無事、合格したのだった。
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ポンコツ(プロフ) - すっごいドンピシャに好きな作品でした！！ (2022年11月8日 18時) (
レス) @page45 id: 16f55af0f9 (このIDを非表示/違反報告)
澪奈(プロフ) - 完結おめでとうございます！とっても面白かったです！！次回作も楽しみにしています！ (2021年3月9日 21時) (レス) id: 20f17d6d24 (このIDを非表示/違反報告)
凪子(プロフ) - さねみんなら、一生お世話されたい！！楽しい作品だったぜィ(^^) (2021年3月9日 21時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 完結おめでとう！！とにかく可愛らしくて勝手に2人の保護者面して見守っておりました…。ゆっくりと2人のペースで進んでる姿が本当に見えてきてこの先も笑い合っていくんだなって思うと本当に素敵な2人！最高なお話をありがとう！次回作もゆっくり頑張ってね！！！ (2021年3月9日 20時) (レス) id: 1ceb99e799 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - もしゃこうさん» コメントありがとうございます！この作品を最後まで読んでくださり本当に嬉しいです、、！次回作も見てくださるんですか！？ええ嬉しい涙ありがとうございました、！ (2021年3月9日 20時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
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