手際 ページ18
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「クリスマスだからなにかご馳走が良いですよね」
「確かになァ。簡単なモンしか作れねェけど」
「お姉ちゃんは何食べたい?」
「ケーキ」
「デザートじゃねェか」
リビングの机でダラーっとしているAを見ながら俺とA妹はキッチンに立っていた。
「ビーフシチューとかどうですか?」
「お、いいなァ」
「じゃあそうしましょう!パンとか買いに行かなきゃ」
「材料はあんのかァ?」
「シチューの材料ならあります。ケーキとパンだけ買いに行かなきゃ」
A妹がテキパキと冷蔵庫から野菜や牛すね肉を取り出して俺に指示をする。本当にコイツあのポンコツ姉貴の妹なのかァ?と疑いたくなる程の手際の良さ。
「とりあえずすね肉を適当な暑さにカットして下さい」
「了解」
「切ったら鍋にすね肉とローリエ2〜3枚入れて下さい。その上に私が切った野菜類を入れるので」
たまねぎ、にんじん、マッシュルーム、ブロッコリー、芽キャベツ等を素早く切りながらA妹は俺にそう言った。早すぎて手元が見えねェ。
「煮込んでる時にケーキとパンを買いに行ってくれませんか?お姉ちゃんと2人で」
「分かった」
「ケーキは此処のを予約してるので取りに行くだけですから。このお店なんですけど場所分かりますか?」
「あー、駅前のあそこだなァ。分かるわ」
「じゃあお願いしますね、パン屋は竈門ベーカリーがオススメですよ」
「了解した」
そう言って俺はリビングの机で顔を突っ伏して眠っているAの頭をトントンと叩いた。コイツがペット扱いになるのも分かる。こんな出来の良すぎる妹が居りゃァ
「A、ケーキ買いに行くぞ」
「私にも出来る?」
「歩くという動作が出来るなら出来る」
「じゃあ多分出来る」
「多分なんかい」
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「イルミネーションがすげぇなァ」
「あー、目がチカチカするね」
「女子高生が言うセリフじゃねェぞ」
辺りも暗くなり、クリスマスに相応しいイルミネーションの通りを歩きながら俺とAはケーキ屋で予約したケーキを貰い、竈門ベーカリーでフランスパンを購入してAの家に帰宅していた。
「さねみんの家はパーティーしないの?」
「俺んとこはイヴの夜に兄弟達としたよ」
「成程ねー、賑やかそう」
「確かに、煩くて仕方ねェ」
そう言いつつも頬は緩んでしまう。煩いけどそこが可愛いなんて思ってしまうのが長男というものなのだろう。
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ポンコツ(プロフ) - すっごいドンピシャに好きな作品でした!! (2022年11月8日 18時) (レス) @page45 id: 16f55af0f9 (このIDを非表示/違反報告)
澪奈(プロフ) - 完結おめでとうございます!とっても面白かったです!!次回作も楽しみにしています! (2021年3月9日 21時) (レス) id: 20f17d6d24 (このIDを非表示/違反報告)
凪子(プロフ) - さねみんなら、一生お世話されたい!!楽しい作品だったぜィ(^^) (2021年3月9日 21時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 完結おめでとう!!とにかく可愛らしくて勝手に2人の保護者面して見守っておりました…。ゆっくりと2人のペースで進んでる姿が本当に見えてきてこの先も笑い合っていくんだなって思うと本当に素敵な2人!最高なお話をありがとう!次回作もゆっくり頑張ってね!!! (2021年3月9日 20時) (レス) id: 1ceb99e799 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - もしゃこうさん» コメントありがとうございます!この作品を最後まで読んでくださり本当に嬉しいです、、!次回作も見てくださるんですか!?ええ嬉しい涙ありがとうございました、! (2021年3月9日 20時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
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