赤面 ページ45
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「狛治君はお見舞いかい」
「はい」
"当たり前だろ"と言わんばかりの表情で狛治君は私の目を見ていた。狛治君と目が合うのは全然大丈夫なのにやはりさねみん相手だと赤面してしまう。
「…ねぇ2人は一緒に居てドキドキとかしないの」
思わず2人にそんな質問をしていた。
「ドキドキ…ですか」
「そう」
キョトンとした顔で私を見る狛治君とみるみる顔を赤く染める恋雪さん。いや、可愛い。
「いつもしてますよ、勿論」
「え、その表情で?」
「当たり前です」
真っ赤になった恋雪さんを見ながら狛治君はケロッとした表情でそう答えていた。え〜、凄すぎ〜。
「…顔見て赤面しないの?」
「しますけど」
「え、嫌じゃないの…?」
狛治君に連続質問をするが狛治君は頭に?マークを浮かべた様な表情で口を開いた。
「何故?」
「……えっ」
「何故赤面をする事が嫌なのですか?」
「…え、…えーと」
あれ、本当だ。私、何で嫌なんだろう。
「神崎さんは相手に好意を寄せる事が嫌なのですか」
「……」
純粋な顔で狛治君はそう言った。私はその言葉が妙にストン、と落ちてしまい言葉を失ってしまう。
「…Aさん」
「あ、はい」
ベッドから恋雪さんの声が聞こえて思わず返事をする。恋雪さんは優しい顔でふわりと笑いながら「相手に好意を伝える事は、とても大切な事ですよ」と言ってくれた。これが歳下?嘘でしょ。
「…そう、だね」
何故私が彼から逃げ回っているのかが分かった。相手がもし宇髄や煉獄だったら、多分相手に薬の事を伝えて近づかないように頼み込むだろう。
じゃあ、何故薬の事を言わなかったのか?
それは─────。
「ありがとう狛治君、恋雪さん」
「?いえ、俺達は何も」
「頑張って下さいね、Aさん」
何も分かっていない表情の狛治君と、お見通しな顔の恋雪さん。2人に手を振って私は保健室を出た。
──ですが貴方、前から不死川さんの事を好いているじゃありませんか
──馬鹿め。それでは薬の効果が分からないだろう
思い出すのは
「…気付いたら駄目だと思ってたんだけどなぁ」
でも大丈夫、今なら言える。今なら。
「あ、居た。お前今日どうしたんだよ」
はいやっぱ無理無理無理です、無理の極みです無理みが強いです。思わず顔を背ける私と訳が分からない様子のさねみんであった。
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うぇすとり?ぁー(プロフ) - 前編読み終わりました!いくまさんのギャグセンス最高でした!へいたくしーが前編の最後のシーンでは言えなくなってしまう甘酸っぱい展開最高でしたっ! (2021年10月13日 22時) (レス) @page50 id: 9275faa17d (このIDを非表示/違反報告)
最高 - これはッ!!!絶対にもッッッッと伸びるべきです(迫真)本当に面白いです可愛いです最高です (2021年3月18日 16時) (レス) id: f0ef8aefa1 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます。最初、田中くんの漫画を読んでこんなヒロインを書きたいなと思い執筆させて頂きました。お気付きになられたとは笑これからの展開はオリジナルが多いのでお時間あれば続編も是非ご覧になって下さいね! (2021年2月27日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - yuenさん» コメントありがとうございます。作品を好きと言って下さり嬉しい限りです……!続編もよろしくお願いいたします! (2021年2月27日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 田中くんはいつもけだるげだ!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 72ff3a10a5 (このIDを非表示/違反報告)
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