へいたくしー【不死川実弥】

誕生 ページ38

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「オイお前ら！今日はド派手な日だぜ！！」

　朝、俺とAが主催者俺の英単語の出し合い大会をやっていると宇髄が目の前に現れ冒頭の言葉を叫んだ。

「さねみん、今日何日？」
「10月31日だなァ」
「ああなるほど」

　納得した様子のAは宇髄の方に顔を向けてグッドポーズをする。気付いて貰えて嬉しいのか宇髄は表情を和らげて笑顔になる、が。

「宇髄、はっぴーはろうぃ〜ん」
「ちっげぇよ馬鹿野郎！！！！！」

　やっぱ誕生日(そっち)だったか。


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「普通ド派手な日って言ったら俺の誕生日だろうが！何で分かんねぇの馬鹿なの！？」
「ド派手に仮装する日かと」
「いやハロウィン(それ)も今日だけどその前に俺の誕生日祝えや！」
「たけの〇の里でいい？」
「いいけども！！！」


　そう言いながら彼女は鞄からたけ〇この里を取り出して宇髄に渡していた。そういや今日は宇髄の誕生日だったなァ、なんて呑気に考えながら俺は英単語帳をしまう。


「つーかAコレ開封済じゃねぇか！」
「2、3個食べた」
「ほんとに祝う気ねぇなお前！」


　てへって言いながら誤魔化すAに対して激しく怒る宇髄。つーか俺何も用意してねェわ、やべ。


「Aに期待した俺が派手に馬鹿だったわ。不死川を見習え、アイツはド派手に友を大切にする奴だからな」
「すまん何も用意してねェ。昼飯奢りでいいかァ？」
「いいけども！！！」


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「そっか今日ハロウィンか忘れてたわ」
「俺の誕生日な」
「宇髄ー、お菓子くれないの」
「いや俺主役な」

　昼休み、俺の奢りのパンやおにぎりを頬張る宇髄とダラダラと机で頬杖をつくA。誕生日だからといって特に何かする訳でもなくただただ駄べるだけ。受験生だし放課後どこかに遊びに行く事もなし。

「来月は不死川だよな」
「…あー、そうだったなァ」
「ド派手にお祝いするよさねみん」
「俺は？」

　チョコレートを俺に渡しながら彼女は真顔でガッツポーズをしていた。俺は貰ったチョコを食いながらもう10月が終わるんだなと考える。


　────あとコイツと居られるのも数ヶ月。


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「今日模試の結果返ってくるって何事？俺の誕生日要素ゼロじゃん」
「ド派手に可哀想」
「慰めろよもっと」
「きの〇の山あるよ」
「どんだけ持ってんの？」

　模試の結果の用紙を片手に俺達3人は見せ合いをする。宇髄は近くの有名美大、俺達は××大学。俺はB、AがCだった。

　────本番まで、あと4ヶ月。

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