暴走 ページ47
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赤面している彼女に何も声をかける事が出来ない俺はただただ硬直しながら彼女の顔を見つめていた。何でAはこんなに赤面してんだよ。一体いつから?俺が来る前からこんな
常に微睡んだ表情で、眠そうな目付きで、基本的に無表情な彼女が。まるで誰かに恋をしているかの様な
──あら、本当に不死川さんが来てしまいましたね
そう、確か胡蝶と。
──すまない神崎。手が滑った。
冨 岡 義 勇
血の気が一瞬にして引くのを身体で感じ取った。今の俺は青ざめているだろう。見なくても分かる。
え、……冨岡?
コイツもしかして…冨岡にときめいて赤面してんのか?は?嘘だろ?俺の今までの冨岡義勇という男の印象を一瞬で思い返す。
──不死川はおはぎが好きなのか。では俺が作って持ってこよう
要らねェし、しかも何でテメェの手作り限定なんだよ
──不死川は50m走のタイムが6.5なのか。速いな。ちなみに俺は6.4だった。ムフフ。
ちょっと表出ろやァ
──不死川はいつも怒っているな。怒ると血圧上昇する。気を付けた方が良い。
誰のせいだと思ってんだコラ
え、……冨岡?(2回目
嘘だろ、嘘だと言ってくれ。驚きすぎて2回も同じ言葉が出てきたぞ。百歩譲ってまだ宇髄や煉獄にしてくれ、冨岡だけは許さん。絶対俺が認めない。
「A、」
俺がそう呼んで触っていた両頬に力を少し込めると彼女はビクッと肩を震わせて目を瞑っていた。そんな顔、すんなよ。百歩譲ってとか言っていたけど、駄目なんだよ。宇髄も煉獄も、勿論冨岡も、全員駄目なんだよ。
「俺じゃなきゃ駄目なんだよ」
「…え、何が」
赤い顔で彼女は俺の目を見て、そう問い返す。
「…誰に対して顔を赤く染めたんだよ」
「え、いやそれは、えっと」
「お前…いつも俺に嫁ぎに来いって言ってた癖によォ」
「…はい?」
「俺が生半可な返事してたからかァ?だから愛想尽かして冨岡の方に行ったのかよ」
「……ん?」
「そりゃ生半可な返事になるだろ、嫁げだぞ?普通俺が言うセリフだろうがァ」
「んん?ストップさねみ、」
「うるせぇ黙れ」
「はい黙ります」
彼女の両頬を押さえつけながら俺は暴走する。
「保護者じゃなくて、男として俺を見ろよ」
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うぇすとり?ぁー(プロフ) - 前編読み終わりました!いくまさんのギャグセンス最高でした!へいたくしーが前編の最後のシーンでは言えなくなってしまう甘酸っぱい展開最高でしたっ! (2021年10月13日 22時) (レス) @page50 id: 9275faa17d (このIDを非表示/違反報告)
最高 - これはッ!!!絶対にもッッッッと伸びるべきです(迫真)本当に面白いです可愛いです最高です (2021年3月18日 16時) (レス) id: f0ef8aefa1 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます。最初、田中くんの漫画を読んでこんなヒロインを書きたいなと思い執筆させて頂きました。お気付きになられたとは笑これからの展開はオリジナルが多いのでお時間あれば続編も是非ご覧になって下さいね! (2021年2月27日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - yuenさん» コメントありがとうございます。作品を好きと言って下さり嬉しい限りです……!続編もよろしくお願いいたします! (2021年2月27日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 田中くんはいつもけだるげだ!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 72ff3a10a5 (このIDを非表示/違反報告)
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