休日 ページ28
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季節は夏。そして休日である日曜日。外は蝉の鳴き声が煩いくらい鳴り響く中、神崎Aは自宅で妹のアオイが作った昼食である焼き飯を頬張っていた。両親は不在。2人で買い物に行ったらしい。Aが朝…いや、昼前に起きた時にはもう既に居なかった。
仕事人間である両親は休日、2人で仲良く買い物によく出掛ける。前日の夜にアオイとAも一緒にどうかと誘われるのだが眠たがりなAは勿論拒否。そしてそんな姉が心配だからアオイも首を横に振った訳だ。
そして今、昼食も終えていい感じに眠い午後1時過ぎ。昼前に起きたにも関わらず気分は微睡み始め眠気が襲ってくる。こんな時は自室に篭って勉強する振りをして快適な昼寝を楽しむに限るのだ。
「お姉ちゃんどこ行くの」
鋭い目付きで妹のアオイがAに問いただす。ギクッとした身震いと共に「勉強だよ〜」と全力で目を泳がせて返答したが、問答無用で「じゃあリビングでやれば?私も一緒に勉強したいし」とバッサリ切られた。
妹、恐るべし。
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渋々勉強をリビングでやり始め、彼女の至福のひとときはもれなく終了した。前回の模試は数学が足を引っ張っていた為何となく数学の参考書を開く。
「珍しいね、お姉ちゃんが数学するなんて」
「うん。自分が高3だって事忘れてたくらい全然してなかったから」
「色々と心配過ぎるよこの姉」
数学IIの参考書を手に持ち、微積のページを開いた。例題や応用問題をルーズリーフに書きながら問題を解く。
「あーもう無理だ、なにもいい気分になれない」
誰だよ微分積分いい気分って言った奴出てこい。しかも分かんない問題出てきたし、答えが全然一致しない。
「アオイ。答えが合わないよ」
「中3の妹に聞かないでよ…」
「なんか時々アオイが中3って事忘れちゃうよ姉さんは」
「それはお姉ちゃんが私に頼りすぎだからでしょ!」
もう!と言いながらアオイは課題ノートを閉じていた。
「え、もう終わったの」
「課題も明日の予習も完璧に終わったけど?」
「ん"〜優秀っ!」
ノートや教科書を持ってリビングから自分の部屋に消えていったアオイ。
「コーヒー淹れようかー?お姉ちゃんの好きなやつ」
ドア越しでそんな声が聞こえ、我ながらどっちが妹なのか分からなくなってしまった姉であった。
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Aやはり微分積分いい気分は間違っていた
「意味分かんねェよ」
その日の夜、彼女から来たLI〇Eにツッコむさねみんであった。
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うぇすとり?ぁー(プロフ) - 前編読み終わりました!いくまさんのギャグセンス最高でした!へいたくしーが前編の最後のシーンでは言えなくなってしまう甘酸っぱい展開最高でしたっ! (2021年10月13日 22時) (レス) @page50 id: 9275faa17d (このIDを非表示/違反報告)
最高 - これはッ!!!絶対にもッッッッと伸びるべきです(迫真)本当に面白いです可愛いです最高です (2021年3月18日 16時) (レス) id: f0ef8aefa1 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます。最初、田中くんの漫画を読んでこんなヒロインを書きたいなと思い執筆させて頂きました。お気付きになられたとは笑これからの展開はオリジナルが多いのでお時間あれば続編も是非ご覧になって下さいね! (2021年2月27日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - yuenさん» コメントありがとうございます。作品を好きと言って下さり嬉しい限りです……!続編もよろしくお願いいたします! (2021年2月27日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 田中くんはいつもけだるげだ!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 72ff3a10a5 (このIDを非表示/違反報告)
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