買物 ページ23
.
「あ、あの店とか可愛いの沢山置いてあると思うよ」
「行った事あるのか」
「ううん、野生の勘」
「せめてそこは女の勘が良いのだが」
そんなこんなで若い女性向けの雑貨屋さんへ到着。
伊黒君が1人で入れないのも分かる程、店内は女性客しか居なかった。
「甘露寺さんってピンク色のイメージあるよね〜」
「まあ否定はせんな、甘露寺に似合わない色などないが」
「はい惚気通りまーす」
「五月蝿い黙れさっさと探せ」
「辛辣は通らなくていいのに」
伊黒君と店内をぐるぐる回りながら雑貨やら食器を物色する。私が選ぶの手伝わなくても甘露寺さんなら伊黒君から何を貰っても凄く喜ぶと思うんだけどな、なんて思いながら店の奥へ進んだ。
そこには期間限定の和菓子モチーフの雑貨コーナーがあった。このコーナーを発見した瞬間、私は伊黒君の元へ駆け寄り話しかける。
「伊黒君伊黒君、あそこに和菓子モチーフの雑貨が沢山あるよ。甘露寺さん桜餅好きだから喜ぶんじゃない」
そう言って彼をその場所へ連れて行くと、伊黒君はお気に召した様子で私の方へ顔を向けた。
「たまにはお前も役に立つのだな」
「もう少し素直に褒めて欲しいんだなこれが」
桜餅デザインのキーホルダーやタオルハンカチ、マグカップを手に取って考え込む伊黒君を放置して自分も何か可愛いのがあったら買おうと思いながらそのコーナーを1周する。
「あ、すごい。おはぎもある」
そう呟きながら手に取ったのはお皿に乗ったおはぎのキーホルダー。しかもそのおはぎには目や猫の様な耳もついていてしっぽが黒文字になっておはぎにぶっ刺さっている。なんか可愛い。
おはぎを見ると私の頭の中には勝手に浮かんでくるのはやはり"彼"の顔。帰り際チラッと見たけど怒ってたなぁ、多分明日タクシーしてくれないだろうなぁなんて呑気な事を考えながら伊黒君の方へまた戻った。
「伊黒君、決まったのかい」
「あぁ、このマグカップとタオルハンカチにする」
「きゃー可愛い」
「騒ぐな馬鹿者、耳が痛くなるだろう」
「かなり神経質なのねごめんよ」
いつものトーンで言ったのに滅茶苦茶怒られた。まあ伊黒君も嬉しそうだし良しとしますか。
お会計を済ませてもう解散するかってなった時に店内の端の方から見知った声が響いた。
「はァ!?ちょ、宇髄!!」
「…………え、今のさねみんの声じゃね」
「今更気付いたのか。鈍臭いにも程がある」
「知ってたんかい伊黒君」
.
233人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うぇすとり?ぁー(プロフ) - 前編読み終わりました!いくまさんのギャグセンス最高でした!へいたくしーが前編の最後のシーンでは言えなくなってしまう甘酸っぱい展開最高でしたっ! (2021年10月13日 22時) (レス) @page50 id: 9275faa17d (このIDを非表示/違反報告)
最高 - これはッ!!!絶対にもッッッッと伸びるべきです(迫真)本当に面白いです可愛いです最高です (2021年3月18日 16時) (レス) id: f0ef8aefa1 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます。最初、田中くんの漫画を読んでこんなヒロインを書きたいなと思い執筆させて頂きました。お気付きになられたとは笑これからの展開はオリジナルが多いのでお時間あれば続編も是非ご覧になって下さいね! (2021年2月27日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - yuenさん» コメントありがとうございます。作品を好きと言って下さり嬉しい限りです……!続編もよろしくお願いいたします! (2021年2月27日 23時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 田中くんはいつもけだるげだ!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 72ff3a10a5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ