隣にいる彼 (ページ7)

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「..見事にいない」

初めて見る顔ばかりで教室に入るのを躊躇してしまう。

..とりあえず後ろ確保しとこ..

後ろの方に座ってとりあえず始まるのを待ってると、ドタバタと走ってくる足音が聞こえた。

『すんません、遅れました！』

ワッペンを見ると青色なので1年生だと分かる。

『..あの、隣大丈夫ですか?』

少し片言にも聞こえる声に返事をすると、隣に男の子は座った。

『..先輩、名前なんて言うんすか?』

「あー、一ノ瀬です」

『一ノ瀬先輩か。
あ、俺與です。與真司郎』

「與くん..って珍しい苗字だね」

與「一ノ瀬も中々やと思うけどな」

さらりと話す彼。

與「あ、俺関西の方からきたんです。
今は寮に住んでて..」

「なるほど..あ、喋りにくかったら敬語じゃなくてもいいよ?」

與「え、ええよ！失礼やし..」

そこで、「あ」という表情をした與くん。

與「..お言葉に甘えてそうさせてもらうわ..」

少し耳を赤くして小さくそう言った。