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『お、おつかれー』
一生懸命描いたプリントを担任に出して、
教室にカバンを取りに戻ると、窓から見えた景色は夕日に染っていた。
うわ、早く帰ろ。
早足で廊下を歩きながら他クラスの教室を見ていると、窓際に誰かが座っていた。
音楽を聴きながら携帯をいじっている男子生徒。
チラと視線がわかったのか私の方に目を向ける。
西島「あ、やっと終わった?」
「え、あ、うん」
西島「終わったら連絡しろよなー」
「..なんで?」
そう言うと、首を傾げるにっしー。
西島「お前LINE見てねぇだろ」
急いで携帯を見ると、にっしーから"終わったら連絡して"というLINEが来ていた。
サイレントにしてたから気づかなかった..
西島「日高がバイトだから俺一人で待ってたんだよ?偉くない?」
「あぁうん偉いね、ありがとう」
適当にそう言うと満足そうににっしーは笑う。
西島「さて、帰りますか」
「自転車でしょ?いいよ、別に」
自転車通学のにっしー。
しかも正反対の方向だ。
西島「いいよいいよ、遠慮しないの」
カゴに鞄を入れさせてもらい、隣を歩く。
西島「早く夏休み来ないかな」
「まだ春になったばっかりだよ」
西島「俺はもう学校に行きたくない」
「何言ってんの笑」
すっかり暗くなった空の下を歩いていると、直ぐに家に着いた。
「じゃあね」
西島「ん、またあしたー」
手を振ると、にっしーは自転車に乗って帰って行った。
「..夏休みか」
そういえば去年の夏休みはバイト三昧だったっけ。
__ごめん、別れよう
__好きな人が出来たんだ
雨音と共に聞こえたその言葉。
私の..3年間の恋が終わった時だった。
「..結局夏祭り行けなかったんだよね..」
..君は何を考えているの
..その好きな子と..付き合ったの..?
臆病者の私はその返事を聞くのが怖くて..
ずっと聞けていない
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作者名:ぽかぽか笑顔 | 作成日時:2019年8月22日 21時