快斗くんとの夏祭り

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Kaito.side



くっそー、



今日ぐらい名探偵もお家でゆっくりしてろよな！！



キッドの衣装から着替えて、Aが教えたくれた場所へと走る。



Aに電話をかけると、直ぐに繋がった。



快斗「今向かってんだけど、どこら辺にいる？」


「ちょっと待って..あ、後ろに綿あめの屋台がある」



綿あめの屋台..



快斗「あった」



綿あめの屋台のすぐ近くに浴衣の集団が見えた。



携帯を耳にあてたAが振り向く。



青子達は花火に夢中で俺が来たことには気づいていない。



電話を終了し、人差し指を立てて手招きする。



「..どうかした？」



快斗「ちょっと抜け出そうぜ」



Aの返事も聞かずに、手を握って走り出した。








「..はぁ..急に何..」



息を整えるA。



快斗「ここ、穴場なんだよ」



キッドとして逃げてる時によくここに着地をしている。



そしてその時、気づいたのだ。



快斗「花火よく見えんの」



「そうなんだ」



第1回戦が終わったのか、少しお待ちくださいという放送が流れる。




「急に抜け出そうとか言うから何かと思ったよ」



快斗「そりゃ..花火ぐらい2人で見てぇからな」



ちらりと俺を見たAは、クスクスと笑いだした。



快斗「んだよ」



「だから早く帰ってきてくれたの？」


ハンカチを取り出して、伝った汗を拭くA。



ああ、ありがとう..じゃなくて。



快斗「..どっかの誰かさんが待っててくれてるんでね」



「..どこの誰でしょうね」



目を合わせずにそんな事を言うAの腰に腕を回し、逃げれないようにする。



ふわり、とAの香水が香った。




自分でやっといて距離の近さに戸惑うが、


お得意のポーカーフェイス冷静を保ってみせる。




快斗「..ちげーの..?」



顔を覗き込むように聞くと、Aは口元を緩めた。




「..待ってたよ」





そしてどこか、期待したような瞳で俺を見つめた。




ブワ、と全身がアツくなる。



頬を撫でると、Aは目を瞑った。




ｺﾞｸﾘと唾を飲み込んで、俺も顔を近づけた。

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