片想い少女。【俺スカ】 (ページ50)

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里見「ってか2人はいつまで手繋いでるの?
仲良しか」

魚住さんにおばあさんを大切にしなさいと怒っていた萌ちゃんが振り向きながら言ってきた。

川崎「里見先生、羨ましいの?」

里見「ううん、全く」

いつの間にか震えは止まっていたし..のぶちゃんへの恐怖も無くなっていた。

「..そういえば、東条と優馬は?」

周りを見渡しても2人はいない。

川崎「幼馴染離れかなんか知らないけど..ちゃーんと話た方がいいんじゃない?
ま、Aが悪くないってことは見てわかるけど」

ニヤニヤした表情の結衣が私に言う。

里見「Aが元気ないとなーんか空気が重たいのよね～」

堀江「そーそ。周りにまで影響するからさっさと元に戻って欲しい」

「なにその私が暗いみたいな言い方」

里見「違わないでしょ?」

首を横に倒す萌ちゃんはあざとさ100%だ。

川崎「..大丈夫。
ちゃんと話せばいつも通りに戻れるよ」

“幼馴染の言うことが信じられない?“

そう背中を押されて数分。

なんとなく優馬の帰り道を走っていると見覚えがある背中を2つ見つけた。

仲良く肩を並べて歩く2人が振り向いた時、私は1つ忘れていたことがあった。

体育3だという事実を。

東条「..ったく何してんだよ」

若林「大丈夫?」

「..恥ずかしさと痛さで泣きそう」

東条「とりあえず立てよ」

顔を上げると東条が「ん、」と手を差し出す。

走った後とはまた違う心臓の動き。

若林「あ、僕絆創膏持ってるよ」

その手を借りて立ち上がった私の膝を見て優馬が鞄から絆創膏をくれた。

「..可愛い..」

若林「それAが好きそうだなーって思って」

うん、私クマが1番好き

東条「..あー、あのさ」

頭をかきながら東条がぽつりと呟いた。

東条「俺らタピろうと思ってたんだけど..お前も行く?」

視線を斜め上に向けながら言われた言葉。

思わず緩みそうになった口元をきゅっと噛む。

「..やったね優馬。
東条の奢りだ」

東条「はぁ?」

若林「ありがとう」

東条「いやいや、意味わかんねぇし」