私が私を失うまで 3

148 赤葦side ページ48

こころに希ちゃんの事を聞かれてから、今度は就職の話になった。


赤葦「こころはどこに就職するの？」


こころ「私はお姉ちゃんが会社を継いじゃったし…お父さんにも好きにしていいって言われてるから、好きな人と結婚して、子供を産んで、幸せに暮らしたいなぁ〜…？って笑」


そう言いながら俺を見るこころの目に鳥肌がたった。



誰と結婚したいとかは言ってないのに、
まるで俺との将来の話をしているみたいで…





背筋に刃物を突きつけられて、どこにも逃げられないと言われてるようだった。






…考え過ぎだろ。


きっと少し雰囲気が違うこころに驚いただけだ…


赤葦「…そうなんだ、いい人が見つかるといいね」


こころ「…ふふっ笑、きっと凄く素敵な人が見つかる気がするなぁ〜！笑」


早くこの場から立ち去りたい。
異様な雰囲気を出している目の前にいる女の子は、俺が知ってる子じゃない。


そう思っていると、ナイスタイミングで俺の携帯に電話がかかって来た。









誰かと思って相手の名前を見た時









怖さで苦しく感じていた俺の心を暖かくしてくれたような気がした。









画面に写っていた名前は









Aだった。

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