私が私を失うまで (ページ15)

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黒尾くん達と試合の事について話していたら
急に目の前に京治が現れて

気付いたら腕を引っ張られて歩いていた。

黒尾くん達も驚いた顔でこちらを見ている。

そりゃそうだよね、いきなりだし、
私もすごく驚いてる。

梟谷の方にいるこころの顔を見る事が出来ない。

『赤葦待って！急にどうしたの！？』

必死にそう問いかけるも
京治は何も聞こえないような表情でただひたすら外を目指して歩いている。

腕を引く力が強くて

痛みで顔が歪むのが分かる。

『ちょっと、赤葦、腕痛いってば！』

そう声を荒げると驚いた顔で手を離す京治。

赤葦「あっ、ごめん……」

こんな京治を見るのは初めてだったから

避けてる事とか忘れて心配してしまった。

『赤葦、急にどうしたの？なんかあった？』

赤葦「…なんで……俺の事、前みたいに京治って呼ばないの？それに最近俺の事避けてるよね？俺なんかした？」

私は彼の言葉になにも返すことが出来なかった。

いや、返したくても返せなかった。