＊第七十四話＊〜行こう〜 ページ34
大切で愛しい仲間と
強くなった私を足したら
きっとあなたを救い出せる――
「つ、まり…?」
Aの不安そうな声だけが理事長室に響く。
それを聴いた理事長は一つ。Aが最も聴きたくないであろう言葉を口にする。
「何度も過去に戻った彼でしたが、結局何も変わりませんでした。そこに生まれてしまったのはただのひずみだけ。そしてそのひずみこそが――一連の犯人だ」
理事長の声がやけに遠くから聴こえる。周りの風景ももはや視界には映らない。
幼い頃一緒に過ごした弟。お母さん。お父さん。
ほんとうは、もっと一緒にいたかったんだよ。何にも望まなかった。毎日が楽しかったから。
もしも、私たちが“普通の子”だったなら。今頃何してたんだろう。ねえ、慎…今頃――…
「今頃…慎は、きっと泣いてる」
突然の涙の言葉。振り向いた先の涙は――泣いていた。大粒の雫が一つ、また一つと零れ落ちている。
「僕は、皆がいなくなったら悲しい。嫌だ。でも、それと同じくらいばあちゃんがいなくなったりしても嫌。慎はずっと、ずっと、そんな目に遭ってたんだ。いきなり突き付けられて、辛くない訳無い!」
懸命に声をあげて伝えようとしている。泣きながら、ただ懸命に。
慎のタイムスリップが原因なら、それは私のせいでもある。
家族が狂ったのは、きっと家族の責任だから。
だからこそ、私はあなたを助けなければならない。あなたにとりつく悪夢を払わなければならない。
気付けばいつだって助けてくれた、隣で守ってくれたあなたを。
家族として。仲間として。あなたの、お姉ちゃんとして。
私は――
「助ける」
その声が合図だった。皆一同に頷いて、走り出す。
明確な理由なんてものはないけれど、“救いたい”から。
ただ。きっとそれだけ――…
…
―理事長室―
見境たちが出て行った後、彼は一人理事長室に残っていた。
その表情はいつになく真剣そうである。
「みんな青いなぁ…っと…そろそろ出てきなよ――ひずみさん?」
虚空を見つめながら呟いた彼の前に急に影が映る。そして…
「その呼び方はやめてよー。俺にだって名前はあるんだからさー。主がつけてくれた、ね」
いかにも相手を挑発しているような声色と態度。しかし理事長はその挑発にも乗らず、淡々と述べる。
今、一番知りたいことで、一番重要なカギ。
「簡潔に言うから、簡潔に教えてくれるかな」
「彼女の能力はなに?」
ちんぷんかんぷんやで☆
続く
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雷撃 - すごい…!読んで下さっておる…!!これからもぜひぜひご覧になって下さると嬉しすです!!!宜しくお願いしまっせ!!! (2013年9月13日 21時) (
レス) id: 3af009dc37 (このIDを非表示/違反報告)
唖璃裟 - ｋｉｎｇさん» 生憎、分けるほどの才能がありません…。もやし回はまぁ置いておいて…←しっかり寝れる時に寝ておいて下さいw (2013年9月9日 22時) (レス) id: b04413382a (このIDを非表示/違反報告)
厘都 - とりあえず唖璃裟さん、変わりに打ってくれてありがとう！なんかもーわけわかめな展開に…。てか、もっと日向代くんだs((ｹﾞﾎﾝｺﾞﾎﾝ 皆様、読んでいただきありがとうごさいます！これからも、宜しくです。 (2013年9月9日 20時) (レス) id: 6008faa288 (このIDを非表示/違反報告)
ｋｉｎｇ(プロフ) - お…おうふ…今回は練りに練られた濃い内容、文章構成…皆様の才能に嫉妬でございます!!僕にその才能をお裾分けしてもらっていいですか？ww ところで…みんな大好きショタ理事のもやし回はまた見れるのでしょうk((← 更新が楽しみ過ぎて夜しか寝れない日々です!! (2013年9月9日 19時) (レス) id: 5432b374ef (このIDを非表示/違反報告)
雷撃 - おおおお久しですすす!!!!!ありさの言うとおりまだまだ続く予定です!!!これからもご愛読のほど宜しくお願いしまする!!!! (2013年8月17日 20時) (レス) id: 3af009dc37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：唖璃裟・雷撃・黎・厘都・羅雨来 | 作者ホームページ：http://akaseu@k.l@@ho
作成日時：2012年10月2日 21時
