7人の極道。

◆二階堂 ページ23

若頭が家を出て、


ミツさんが俺に目で合図を送る。









『……“みやた”を調べる？』


数日前……ミツさんの部屋に呼ばれて

言われた“仕事”。



「ぁあ…。裕太に意図があって

接触してきた可能性もある。」


『で、でも…っ…千賀が言うには

若頭が
かなりその…宮田って奴になついてる…とか…』



「センは優しすぎる。
それが長所ではあるが、短所でもある。

ニカ、お前なら分かるだろ？

玉森組のような大きな組織の若頭となれば
命を狙われる可能性は
どこにでも転がっている。

人を疑うことも大切だ。

裕太や千賀にはそれが備わっていない。

……が、お前はその予知能力が備わっている。

格闘も俺の次に強いお前なら

俺が近くにいない時、裕太を任せられる。」





ミツさんは俺の胸元のポケットに

拳銃を入れる。




「若頭を見張りつつ、
宮田って男の素性を調べてくれ。

その宮田が、少しでも不審な行動をしたら
躊躇うことなくこれを使え。いいな？」





ミツさんの目は……本気だ。




これが……No.1の組織と言われる玉森組を

長年……支えてきた男。








『……分かりました。』









胸元に入れられた拳銃の感触に汗が吹き出た。

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