【ツイステッドワンダーランド】【FGO】マスターだった彼女はVillainsの世界へ Ⅱ (ページ37)

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78話ページ37

Noside

サバナクロー寮の談話室では、寮長であるレオナ・キングスカラーは一人の男に追い詰められるような空気の重さを感じていた
否、実際に追い詰められていた

今、レオナの前にはとても長い白い髪、一房の髪は三つ編みにされている上に、浅黒い肌に、服の袖から見える腕には何かの刺青のようなものにブレスレットのような金色の輪

「ねぇ、聞いているのかいなんで、Aちゃんを危険な場所に行かせたんだ

………………………………………………答えろ」

一つ一つ言葉を重ねる度に重くなる空気、膨れ上がる殺気に、近くにいたサバナクロー寮生は肩をビクつかせ震えていた

しかし、その空気は次の瞬間あることが起きたため収まった

「レオナさん！Aが！」

けたたましい音を立てながら扉を開けて入ってきたのは、顔面蒼白なジャック
しかし、そのジャックの腕の中にいたのは彼よりも青白い顔に左脇腹近くのお腹から血を流したAがいた
息は絶え絶えしく、今にも切れてしまいそうだった

『…………っう…………』

口から発せられる弱々しい声と共に、口の端からは真っ赤な血が溢れる

「…………話は後だ……今はAちゃんの怪我の処置が最優先だ」

謎の男がそう言うと、彼の近くから軍服のような服にスカート、そして肩からはバックをかけている女性に、長い白い髪に黒い服を着たペストマスクをつけた男性が現れる

「司令官！」

女性がジャックから奪い取るようにAを抱え、傍にあったソファに横たわらせる

「本当は、ベッドのような場所がいいんだが……チッ、仕方ない……」

「どうしますか、1回危篤状態にさせてからドクターの宝具で………」

「いや、それではマスターが俺の魔力に耐えきれない
…………ここは、スキルを使いながら怪我の治療をするしかない」

「分かりました」

そこに、立つのは戦場に一人咲く花のような天使のような恐ろしくも美しい女性にただただ目の前にいる患者を必ず救うという意思を持つ男性の姿があった